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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「逃亡性痛み症候群」のこと
 9時半頃起床。午前中は昨日の出来事を反芻しながら日記を書くなどしていた。昨日で休日を堪能したので、今日は休息に充てることに。

 午後になって「逃亡性痛み症候群」(Number-Animal)を最後までプレイしたのでその感想を。
 戦闘で勝つことでなく逃げることに主眼を置いたRPG。
 戦闘時には敵味方共に体力の他に痛みという値を持つ。痛みは攻撃を行ったり受けたりすることで上昇し、痛みのゲージが最大になると痛み症候群という状態になる。ここで、攻撃を受けて痛み症候群になったときは悪性に、攻撃を行って痛み症候群になったときは良性に分かれる。悪性の場合は1ターン行動不能となるが、良性の場合には攻撃力の低下で済む。したがって、こちらの攻撃で敵を悪性痛み症候群にしていけば、戦闘を有利に運ぶことができる。
 また、戦闘は長期戦になりがちなように調整されており、全ての敵を倒して進むことは非常に困難で、途中で逃げることが前提となっている。戦闘中には行動に伴い随時逃亡確率が変動し、逃亡を選択することでその確率に従って逃亡の成否が決まる。ただし、敵を痛み症候群にしたり倒すと換金できるアイテムを入手できる。お金は回復アイテムなどを購入したりスキルを覚えるのに必要なので、ある程度は稼がなければならない。どこまで粘りどこで逃げるかの選択がこの作品を進める上で大きな要点となる。
 ゲームシステムはいわゆるノンフィールドRPGで、一歩ごとに進むか撤退を選択し、進むを選ぶと戦闘が発生。敵から逃亡するか敵を全滅させるとまた進むか撤退を選択する。面の最後まで到達するとイベントが発生してクリアとなる。ボス戦ではボスを倒すことがクリア条件となる。
 冒険の拠点となる街では回復アイテムを購入したり、呪いによりゲーム難易度を調整したり、スキルを覚えることができる。また、戦闘で全滅すると強制的に街に戻らされる。

 システムでは、敵から逃げることを前提とした調整と、痛み症候群という状態が上手く噛み合い、戦闘の面白さと逃げる面白さが上手く両立しているところが注目すべき点。敵を悪性痛み症候群にして行動不能にしながらアイテムを稼ぎ、頃合いを見計らって逃亡するという一連の戦闘の流れに強い新鮮味を感じた次第である。独特のシステムを導入したせいか難易度は結構控えめに調整されており、痛みを多く与えるスキルと逃亡確率を上げる方法を理解して欲張らなければ(ここが一番重要)、初見でもクリア可能な面は多かった。一方で、味方の成長がスキルを覚える以外にないことや、回復アイテムを持ち込む数が制限されていることで、力押しでのクリアは難しくなっているところがシステムを大事にした調整で好印象を受けた。

 物語は神に関する独特の世界観が特徴的。全ての事象には神が宿り、そして人はその神を第3の親として生まれてくるという設定の元に物語が構築されている。主人公は同じ神から生まれた仲間を探す旅をしているのだが、その理由は最初は明らかにはされず、ただその目的に沿って仲間を見つけていく。その仲間というのが、感情を持たないゴーレムの少女、神への生贄の為に人を殺してきた元神官、その元神官に妹を殺された過去を持つ怪盗と、個性的なキャラクター揃い。そんな個性的なキャラクター達が、時には世間を敵に回すような悪事にも手を染めるという普通でない展開が面白く、ゲームを進める上で大きな駆動力になった。また、仲間も個性的ならば、見た目の可愛さとは裏腹にどんな取引でもする商店の店員、腕も立つしお金もあるし人格者でもある完璧超人な護身術の師範、事ある毎に主人公の前に現れては卑屈な笑みとねっとりした言葉で接してくる悪役など、その他の登場人物も仲間達に負けず劣らずの個性派揃いで、全てのキャラクターに何かしらの魅力が感じられた。

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09月24日(月)
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