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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「ワンダーボーイ:ドラゴンの罠」のこと
気力が尽きたり会社の用事ができたり遊びに行ったりして延び延びになっていた「ワンダーボーイ:ドラゴンの罠」(Lizardcube)の感想を。
1989年にマスターシステム用ソフトとして海外で発売された「Wonder Boy III:The Dragon's Trap」のリメイク、ということを今知った。ファンが作成した二次創作だとずっと思っていた。
前作「ワンダーボーイ2:モンスターランド」でメカドラゴンを倒した主人公が、ドラゴンの呪いでリザードマンに変化してしまい、人間の姿に戻るための新たな冒険に向かうアクションゲーム。
操作は移動と攻撃、ジャンプ、アイテム使用、アイテム選択。攻撃は剣とアイテムで行う。主人公はドラゴンを倒して呪いを解くのが目的だが、ドラゴンを倒す度に違う動物の姿に変化させられる。そして、それぞれの姿に応じた独自のアクションがあり、そのアクションを活用して次のドラゴンへと向かうというゲームの流れになっている。主人公が変化する姿は人間の姿を含めると6種類。
自機は体力制で、攻撃を受けると体力が減り、無くなると復活の薬を自動的に使用。復活の薬が無い場合にはゲームオーバーとなる。体力の上限はアイテムを取ることで増やせる。
前作「ワンダーボーイ2:モンスターランド」は、発売当時ゲームセンターで夢中になってプレイした作品である。当時としてはコンシューマ機に比べて圧倒的に高性能アーケード基板で、コンシューマのような冒険アクションがプレイできるのは革新的であった。また、スコアは永久パターンがあったので残りゴールドでハイスコアを競い合っていたのだが、それにもかなり熱中して、最終的に6000ゴールド以上残すことができた。なので、この作品のトレイラームービーで前作の最終面の曲が流れた時には目頭が熱くなり、この作品を買わないという選択肢は最早無かった。なので、正直なところこの作品には思い出補正が多分にかかっている。
自機の挙動は「モンスターランド」そのまま。剣で攻撃して後退した敵を追いかけてまた剣で攻撃するといった小気味の良い動きや、壁際の敵に剣を連打して一方的に倒す戦法、微妙に制御の効かないジャンプ、垂直にジャンプした直後に剣を出して空中の敵を安全に攻撃する方法など、前作をプレイしていた当時の操作感覚を徐々に思い出してとても懐かしい気持ちになれた。この操作感覚は確実に「モンスターランド」を引き継いでおり、この時点でもう大満足。さらに、敵キャラも前作に登場したキャラがいくつかいて、これまた懐かしさに拍車をかけてくれた。
難易度はノーマルだったらそれほど高くは無い。体力はお金さえ払えば何度でも回復できるし、復活の薬も普通に買うことができ、ボス戦も基本的にはパターンであるから、アクション要素で詰まるような場所はほとんど無かった。一方で、特定の姿によるアクションの活用方法に気づかないと先に進めないような場面は所々で見受けられ、主人公の姿が変化するというシステムをきちんと活かした面構成は好感触であった。そして、ハードになるとお馴染み砂時計が現れて一定時間で体力が減るという仕様になり、緊張感が格段に向上。ノーマルでは丁寧に敵を倒して進んでいた場所も、ハードでは時間的な余裕がなくなり一気に駆け抜けるような攻略を要求されて、疾走感のある内容に一変するのが面白かった。
演出については今の技術を活用したものになっている。キャラクターの動きは大げさなほどに躍動感のあるアニメーションを見せてくれて、特にボスキャラではそれが顕著になっておりかなりの迫力であった。さらに、楽曲についてはオーケストラによる生演奏と、演出面で非常に贅沢なアレンジが施されていた。今の演出技術で「モンスターランド」の世界観を楽しめることは、ただただ嬉しかった。やはり、最終面のアレンジは感涙ものである。
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06月11日(月)
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