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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■続・「雪のガラドリエル」のこと
では、「雪のガラドリエル」(Space not far)の感想を。
少女ガラドリエルとメイドのラナが夜の雪山に流れ星を見に行く、プレイ時間1時間程度の短編RPG。
戦闘システムが特徴的。ガラドリエルとラナどちらかが前衛で、もう一方が後衛となり戦闘を行う。敵の単体攻撃は常に前衛を狙ってくる。
戦闘に使えるスキル(コマンド)は3つまでで、組み合わせは自在だが、防御や回復もスキルにより行う。また、スキルの中には前衛もしくは後衛でしか使えないもの、使用すると前衛と後衛が交代するものなどもある。
さらに、スキルを使用すると、スキルに設定された待ち時間が発生し、待ち時間が0にならないと次の行動が行えない。威力が大きいスキルほど待ち時間も長くなる傾向にある。
そして、スキルを使用していくと、新たなスキルを閃くことがある。閃いたスキルは以後ずっと使用することができる。
夜の雪山に流れ星を見に行くという一夜の冒険という設定がとても浪漫的ではある。が、ガラドリエルもラナも口が悪く、会話もボケツッコミの応酬で、そんな雰囲気とはほど遠い道中。イベント時の会話もさることながら、メニューを開くたびにそのような会話が繰り広げられるものだから、一々メニューを開くのが面白くて仕方なかった。
だからこそ、心の底ではガラドリエルを敬うラナと、ラナを慕うガラドリエルの、素直な会話が余計に心に響く作品でもある。エンディングでは、二人が小さな冒険でかけがえのない時間を過ごしたことを思わせる、とても良い雰囲気の余韻を楽しませてもらえた。
戦闘からは確実に逃亡可能、戦闘に勝利すると体力全快、全滅しても不利益は無いどころかアイテムがもらえるといった具合に、戦闘自体は割と緩い感じである。Space not farの作品にしては珍しく?力押しができるので気軽に楽しめた。また、前衛後衛と3つのスキルを組み合わせたシステムは考えどころも多く、スキルの組み合わせによる戦闘の組み立てが面白い。
一方で、スキルを閃くシステムは、それを楽しむにはこの作品では尺が不足しているというようにも感じられた。戦闘は無尽蔵に行えるが、それほど多くの戦闘をせずともエンディングは迎えられるので、意図的に戦闘回数を増やさないと中途半端で終わってしまう。また、前述のとおり戦闘自体の難易度は低いので、閃いたスキルで独創的な戦法を編んだり勝率を上げることを詰めるような内容でもない。このシステムに関しては、正直不完全燃焼気味であった。
やりこみ要素としては、いかに少ない戦闘回数でクリアするかなどが用意されているようだが、個人的にはこの小さな冒険の結末を見届けることができただけで満足。
エンディングを迎えた後のタイトル画面から、ラナの正体について所説挙げられていたが、私はそこまで考えが及ばなかった。
04月04日(火)
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