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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「メルヘンフォーレスト」のこと
 昨日クリアした「メルヘンフォーレスト」(PrimaryOrbit)の感想を。
 見習い薬師のメルンちゃんが一人前になるまでの過程を描いたRPG。アトリエシリーズのように、素材を集めて目的のアイテムを合成することで、メルンちゃんの称号が上がっていく。
 この作品はスマホのアプリであり、操作はほぼタップのみ。目的とする地点に移動する、気になる場所を調べる、村人に話しかける、コマンドを選択するといった主な操作はタップのみで完了する。あとは、コマンドやアイテムのスクロールにスワイプを用いる程度。
 素材は、特定の場所を調べたり人物に話しかけることで入手できることもあれば、何段階かのイベントを達成しなければ入手できないものもある。集めた素材が規定個数以上であれば調合は成功するが、最後の調合だけはそれに加えて特定の条件の達成も必要となる。

 最初に作品の紹介記事を見たときに、画面から伝わってくる可愛い雰囲気にすっかり魅了されてしまい、これは必ずやプレイしなければならないと思って当時所持していたiPhone5にインストールしようとしたところ、機種が対応していないと宣告されて愕然とする羽目に。iPhone5は3月にバッテリーを交換したばかりで、夏コミが終わるまでは使い続けようと思っていたが、そこまで待っていられないと6月にiPhoneSEに機種変更を前倒しした。ソフトのためにハードを購入するなど、いつ以来であろうか。

 タップでの軽快なゲーム進行に牧歌的な雰囲気、そして個性的な住人達との愉快なイベントの数々に、抜群の居心地の良さを感じてゲームに没頭していた。特に、イベントについては微笑ましいものから、意外性に富んだものまで多岐にわたり、飽きさせないものがあった。最も大きなイベントでは起点から想像もつかない結末になり、しかしさほど突飛な展開でもなく、意外性と整合性の両立に驚かされた次第である。あと、このイベントのためだけに戦闘システムを構築しているその労力には唖然としてしまった。
 また、釣りやクイズといったミニゲームでも素材を得ることができるのだが、このときのメルンちゃんの仕草がどれも大きな身振り手振りでとても可愛らしく、大いに目を惹かれた。中でも、クイズで正解したときのガッツポーズが印象に残っている。今のハード性能からいえば十分にローポリゴンなモデリングではあるが、その懐かしい感じがゆったりと時間の流れる牧歌的な雰囲気に実に良く合致している。余談だが、クイズの解答席にアメリカ合衆国の国旗の模様が描かれていることに、特定の世代を狙っていることがひしひしと感じられた。あと、東方関連のクイズがあったのには吃驚。問題数はさほど多くなく、同じ問題が続けて出たりと出題の方法に雑なところもあったが、そもそもミニゲームということでここは目をつむる。
 調合に関しては、素材の種類ではなく個数で決まるので、アトリエシリーズのような本格的な調合は楽しめない。その分、素材の種類とその入手方法の多様さで楽しませるような構成である。最後の調合では使ってはならない素材も出てくるが、その判別と処分に関わる人物がまた意外すぎて面白かった。住人の中で空気である人が一人としていない丁寧な作りには感服である。

 牧歌的な雰囲気作りが徹底されており、オープニングからエンディングに至るまでとても和やかで心温まる雰囲気を堪能させてもらえた。その上で、意外性に富んだ展開が良い刺激となり、心から楽しませてもらえる魅力の多い作品であった。

 と、ここまでが第1章の感想。

 ここから先は第2章の感想となるが、第2章の展開の持つ魅力がとても大きいので、ネタバレ注意をさせていただく。



 第1章をクリアすると現れる入り口をくぐると第2章が始まる。第2章はメルンちゃんの大切な人の過去にまつわる物語。ゲームシステムも、ダンジョン探索RPGに大きく変貌する。

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06月28日(火)
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