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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■続・「AtoA R.Regulus」のこと
「AtoA R.Regulus」(B茄子屋)のまとめなどを。
剣と魔法の物語も今は昔。産業革命も世界大戦も経てすっかり伝統芸能となってしまったマジックユーザー。そんなマジックユーザーの中でも飛行系に属する「レグルス」の兄妹が、打ち捨てられた中世のダンジョンに向かうところからこの物語は始まる。ダンジョンの中には人魂やら勝手に動き回る兵器の残骸やらがうごめいており、それら危険なゴミを掃除するのが彼らの任務…だったはずなのだが、謎の人影の襲撃に遭い、遠方からの艦隊射撃を受け、どうやらそれだけでは済まない展開に。果たして今時ダンジョンの底に待っているのは悪い魔法使いか、それとも…。
この作品はマウスとキーボードで操作する全方位シューティング。巨大な空間と化したダンジョンを「レグルス」の能力で飛び回り、敵を倒していく。自機は性能の異なる兄妹から選択。兄は操作しやすく、妹は攻撃力が高いのが特徴。
操作系は全方位シューティングとしては非常に独特。まず、マウスで動かすレティクル(円形のカーソル)が全ての動きの基準となる。自機はレティクルに向かって進み、ショットもレティクルが照準となって弾はそこに向かって発射される。なお、レティクルが自機の近くにあるときは、ショットの代わりにメレーという高威力の近接攻撃となる。
そして、特徴的なのが狙うという操作。この操作により自機からレティクルの方向に向かう一定の視野角に照準範囲が設定され、そこにいる敵にはロックがかかる。この状態で弾を撃つと、”敵の軌道を先読みして”弾が発射される。先読みの精度はかなり高く、単調な動きの敵ならほぼ確実に当たる。
もう1つ特徴的なのが防御のシステム。自機の周囲にはシールドが張られており、普段は見えないが被弾するとその方向にゴーレムのような容姿のシールドが出現して攻撃を防ぐ。シールドが出現している間はその方向からの攻撃は受けることができるが、それ以外から被弾すると自機がダメージを受ける。シールドは攻撃を受けるとゲージが減少するものの、立て続けに受けなければ時間で回復する。ただし、ゲージが無くなると一定時間シールドを張ることができなくなり、非常に危険な状態となる。また、シールドは防御だけでなく、ショット(シールドショット)や遠隔操作による近接攻撃(シールドバッシュ)も可能。いずれも自機に比べて高性能で高威力だが、シールドが出現した状態での攻撃となるので、その間は自機が無防備となる。
と、これだけ特徴的な操作系なので、最初は慣れるまでに相当苦労した。何しろ、EASYでも移動となるとあさっての方向に飛んでいき、こちらの攻撃は全然当たらない。敵の攻撃はこちらの動きを読んだように(実際読んでいる)的確に狙ってきて、そこに誘導ミサイルも加わってシールドゲージはすぐに無くなってしまう。とにかく、全くもってゲームにならなかったのである。最初は1面すらクリアできず諦めようかとも思ったのだが、何故このような操作系にしたのかがどうしても知りたくて何とか続けてみた。
そして、何とか自機をまともに動かせるようになったとき、そこに見えたのは緊迫感溢れる空中戦であった。パッドやスティックよりも自由度の高いマウス操作は、まるでフライトSTGのように大空(ではないが)を翔る躍動的な戦いを2Dシューティングで実現させ、重力や慣性に縛られない自機の挙動やこの作品の世界観ならではのキャラクターや攻撃が2Dシューティングならではの展開を構築する。まるで2DシューティングとフライトSTGの特長を兼ね備えたような内容に感嘆すると共に、この操作系であることにも至極納得した。そして、正直とっつき易いとはいえない操作系を通して製作者のこだわりや妥協の無さが垣間見えたことに対して、その姿勢は正しく同人ゲームならではでありとても嬉しく思った次第である。
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10月26日(水)
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