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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「Momodora」のこと
物語は呪いに蝕まれた陰鬱な世界に主人公が小さな希望として立ち向かうという内容だが、元凶ともいえる女王に会いに行くという物語の本筋以外はあまり印象的なところは無かったのが正直なところ。NPCからの情報が断片的で想像力を膨らませないと背景が見えてこないが、私には無理だった。特に、フェネルとクワイヤ、ルピエールの3人には何故戦う羽目になったのか未だに分かっていない。
不満点といえば、最上位難易度のクレイジーの調整。クレイジーでは体力が極端に少なく、中盤くらいまでは雑魚の攻撃を一発でも受けるとゲームオーバーになってしまう。しかし、体力の上限を増やすアイテムを入手していくと、徐々に攻撃に耐えられるようになってしまうのである。序盤は一発死の緊張感が楽しかったのだが、ゲームが進むにつれてその緊張感が薄れてしまうのが残念な限りであった。クレイジーは最初から最後まで一発死でも良かったような気がする。ただし、この不満にはこの作品がたとえ一発死であってもちゃんとクリアできる綿密な調整がなされていることが前提にあり、完成度の高さの裏返しとも捉えられる。なお、探索アクションでアイテムがあるのに取らないというのは相当な鬱憤になるので、体力の上限を増やすアイテムを取らなければいいという意見は聞かない。
程よいマップの広さと探索の自由度の高さ、丁寧な敵配置に多彩なボスと、探索アクションとして押さえるべき点をしっかり押さえてあるところに大いに好印象を受けた。攻略を通じて自然と高難易度に挑戦できるようになる難易度調整も見事の一言に尽きる。職人技的なドット絵も見ごたえがあり、新規性こそ乏しいものの様々な要素に絶妙さが見出されるような完成度の高さを誇る作品であった。プレイし終えてとても充実した満足感が得られており、評判の高さにも至極納得である。
07月01日(月)
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