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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「チョップリフターHD」のこと
もう1つ存在感の大きな敵として戦闘機が挙げられる。轟音と共に登場して大量のミサイルをヘリめがけて発射し、高速で離脱していくのだが、ヘリ程度の機動力では戦闘機を撃墜できるわけがなく(できたとしても極めて難易度は高いと思われる)、ただひたすらミサイルを避けるしかない。ミサイルをやり過ごすために足止めされるのはもちろん、ミサイルの攻撃力はRPG以上に高く、戦闘機が飛来する音が聞こえただけで思わず身構えてしまうほどの脅威である。で、これまた登場する場面がよく練られており、ミサイルを避けようと高度を下げた途端に戦車が前方にいて狙い撃ちされたり、迫撃砲の隙間にいるときに飛来してきたりと、プレイヤーを苦しめようという意図が清々しいほどに表れていた。
というわけで、時間制限に敵の配置の絶妙さが加わり、緊迫感により一層の拍車がかかる見事な調整であった。
ヘリは小型ヘリ、輸送ヘリ、攻撃ヘリと作戦によって3種類用意されており、それぞれの性能に適応した任務が用意されている。ここで、任務の内容は救助一辺倒ではなく、いい按配の間隔で攻撃任務を挟んで単調にならないように工夫してあるところが好印象であった。あと、敵に何故か時折ゾンビが登場するのが、いかにも海外の作品らしいと思ったところ。ただし、このゾンビもヘリに突撃してはローターに巻き込まれて細切れになるだけの無力な存在ではなく、要救助者を襲って死亡させる役割があり、これまた救助の緊迫感を高める要素としてちゃんと活用されているのが流石である。
UE4による演出効果もまた、緊迫感を高めるのに寄与している。訓練の時点では気軽にプレイしていたのが、実戦に入った途端に背景が赤茶けた大地に朽ち果てた建物が並ぶ荒廃した風景に変わり、その後ろでは戦闘機の飛来する音や爆音が鳴り響き、雰囲気が一転して張り詰めた空気に変わったのは衝撃的であり、作品に対して襟を正した次第である。
全面要救助者を1人も死亡させることなく制限時間内にクリアして、最高評価も得ることができた。また、実績も全て達成。原作の「チョップリフター」のシステムを上手に今風のゲームに昇華させた、とても良いアレンジであった。
ところで、バンゲリング帝国三部作のうち、「チョップリフター」と「ロードランナー」はSteamでアレンジが配信されているのだが、「バンゲリングベイ」だけが見当たらない。「バンゲリングベイ」は当時は斬新すぎて受け入れられなかったが、今なら面白いアレンジに仕上げられそうだが。
02月24日(日)
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