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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「東方討幻経」のこと
 敵の容姿は様々で、小型の敵は蜘蛛や猛獣、球体、中型は旧作のボスのような羽の生えた目玉、大型は飛竜や朱雀、アザラシ、猛牛のような容姿をしている。これらの中で戦って楽しかったのはやはり大型の敵。体力も攻撃力も高いので長期戦になり、緊張感の高さは小型や中型の敵とは比べ物にならない。敵によっては空中戦にもなり高度を合わせるという複雑な操作を要求されるが、それを制御して敵にくらいついていくのはさらなる緊張感の高まりを覚えた。一方で、体が大きいので攻撃が当てやすく、攻める楽しさも小型や中型の敵に比べると格段に高い。積極的に近接を当てて射撃ゲージを溜めたら離脱して射撃への攻撃に転じ、スペルカードゲージが溜まったら再度接近してスペルカードを密着して当てて大ダメージを与えるという一連の流れを繰り返し楽しめるのも、大型の敵相手ならではである。また、東方ならではの弾幕を張ってくるのも大型の敵の特徴で、3D描写ならではの空間への広がりを持つ数々の弾幕は非常に見ごたえがあり、その巨体の迫力と併せて視覚的にも楽しませてもらえた。

 音楽も東方のアレンジ揃いだが、何より通常の戦闘時に流れる不可能弾幕には反則をのアレンジがゲームの内容と非常に相性が良く、これだけで随分と戦闘時の高揚感が上昇して実に良い選曲だと思った次第である。戦闘時以外に流れるのはミストレイクや幻想のホワイトトラベラーなど、ステージの雰囲気に即した曲のアレンジだが、こちらはゆったりめのアレンジとなっており、広大な世界を飛び回る自由度の高さが満喫できる。総じて選曲の良さが光る内容であった。そういえば、大型の敵との戦闘時も迫力のあるアレンジが流れるのだが、こちらは終ぞ原曲が分からずじまいだった。アレンジには原曲を併記してもらえると助かるのだが。

 一方で、改善すればもっと快適にプレイできたであろうと思われる点も多々見受けられた。
 先ずは何といっても敵や地面との当たり判定。小型や中型の敵に体当たりすると、乗り上げて高度が変わってしまい、攻撃が当たらなくなってしまう。最初の頃はなんで勝手に高度が変わるのかが理解できず、これが戦闘の難易度を徒に上昇させていたことは間違いない。ツイッターを見ていると、この戦闘の難解さで投げ出してしまった人も見受けられた。一方で、地面に対して体当たりすると引っかかって動かなくなることが多く、それが原因で戦闘時に窮地に陥ることもあった。地面に対しては逆に高度を調整して動き続けるようにして欲しかった。敵と接触したときの挙動と、地面と接触したときの挙動は逆にすべきであろうと強く思った次第である。さらに言えば、高さを合わせる難易度が高いので敵に対してロックオン機能があればとも思ったが、これは自力の操作で戦わせようとあえて製作者がそうしなかったとも解釈できる。
 あと、高次面で頻発したのが敵が消えてしまう現象。反応した敵から一定距離離れると起こりやすかったのだが、クエストクリアに必要な敵が消えてしまうとクリア不可能になってしまう。それまでの戦闘が水の泡になってしまうので、これが起こるとかなり落胆させられた。
 敵弾とのグレイズについては、敵弾と完全に重ならないとグレイズにならないので、自機狙い弾以外だと狙ってグレイズするのは難しい。折角敵が弾幕を張ってきても、それを活用できないのはシステム的に勿体ないような気がした。グレイズの範囲を広げて手軽にグレイズできるようになれば攻勢に転じやすく、グレイズというシステムをもっと楽しめたのではと思った次第である。弾幕は見た目的には綺麗だったけど、システムへの昇華が不十分という印象である。
 また、恐らく「モンスターハンター」をプレイしたことのあるプレイヤーを想定して製作されたようなので、未プレイだった私には説明不足な部分が結構見受けられた感がある。まあ、この点については同人ゲームらしいといえばそうだし、それを紐解いていくのも面白かったところはあるが。


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07月08日(日)
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