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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■続^3・「ELMIA」のこと
 冒険は森から始まり湖を抜けて空高く舞い上がり、廃墟と化した空中都市を探検するという、小さな少女達にはとても大きな内容で、変化に富んだ面構成が楽しめる。そして、この冒険を描くのが淡い幻想的なグラフィックと落ち着いた美しい旋律の楽曲で、公式で謳っている絵本のような世界観を構築している。この幻想的な世界観も作品の大きな魅力である。特に、楽曲は印象的な旋律が多くて耳に心地よい名曲揃い。印象に残っているのはタイトル曲で、起動する度にこのゲームに戻ってきたことに安堵して心が軽くなったものである。
 また、ミアの容姿が猫耳フードにだぼだぼ袖と私に刺さる要素が多く、愛らしい動きにも癒されたことは、この作品をプレイする大きな原動力の1つになった。木の桶をかぶって前が見えないまま手探りで歩く様子は実に可愛らしかった(本人は災難であったが)。

 不満点もいくつか。
 まず、ワープヒールを取った時の演出効果が眩しすぎて、視認性が低下する場面があったこと。特に、動く鉄球が多数配置されている中でワープヒールを取ってしまうと、鉄球を見失ってしまい致命的であった。
 あと、左右方向の視界は広いのだが、上下方向の視界が狭く、障害物を把握しにくかったのも大きな不満点。動く鉄球の中を上に登る場面では先が全然見通せず、きちんと攻略できずに場当たり的な対応を強いられたのがとても残念であった。
 気流の向きが分かりにくいのも鬱憤が溜まる要因となった。正直、気流は一度流されてみないとどの向きに動くのか把握できなかった。
 そして、これは環境によるところもあるかもしれないが、Rボタンを押してもワープしない状況がかなりの頻度で発生した。これも、厳密な操作を要求される終盤では致命的となることが多く、これのせいでミスをしたときはげんなりさせられた。とはいえ、それを乗り越えてプレイさせるだけの魅力がこの作品にあったのもまた事実ではある。

 ところで、この作品には異なるゲームモードが用意されている。標準的な難易度のノーマルモード、エルが画面の中央に位置するフェアリーモード、ダメージを受けた後の無敵時間が無くなるハードモード、体力が1しか無いワンライフモード、ワープゲージがほぼ減らなくなるインフィニティモードである。この中で特異だったのがやはりワンライフモード。それまでは体力任せで強硬突破できていた場所がことごとく通用しなくなり、途端に本来の脅威を示してプレイヤーに牙をむく障害の数々にこの作品の本当の姿を見せられたような気がして、とても刺激的な内容であった。
 8-3の動く鉄球の中を縦に登る場面は前述の視界が悪いせいで運が大きく絡み、ここで折れそうになったが、このモードは「弾幕アマノジャク」の究極反則生命体狙いと同じだということに気づいた。つまり、ここを抜けるには運が前提だが、その運を掴んだときに活かせる腕前も鍛えておかなければならない。これに気づいてから俄然挑戦意欲が湧き、2日かけてこの場面を遂にクリアすることができた。もう一か所詰まったのは8-5の最後の場面であったが、ここは他のモードで撮った動画を活用して攻略することができた。どちらの場面も少しでも止まることを許されず、この作品で最も緊張感に溢れる操作を要求されたのは、クリアできた今となっては楽しい思い出である。ただ、やはりあまりにも過酷な難易度なので、気楽にこの作品をプレイした人には決して勧めることはできない。
 ワンライフモードの後にそれより遥かに簡単なインフィニティモードを持ってきたのは、ワンライフモードをクリアするまで頑張ったプレイヤーへのご褒美であろう。

 ワープでの浮遊感がやはりこの作品ならではと思わせる独自性の高い要素で、とても新鮮味が強かった。幻想的な世界観と演出も大きな魅力を放っており、システムと演出両方の面で大いに楽しませてもらえた作品であった。
 また、ワンライフモードをクリアできてアクションゲームに対する自信につながったのも、この作品をプレイして良かったと思わせる点であった。

 ところで、10万回ワープの実績は本当に取れるのであろうか。まずまともにプレイしていたら無理だと思うのだが…。


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03月10日(土)
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