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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■続々・「さとりのアトリエ2」のこと
 そして、前作では攻撃方法は体当たりのみであったが、今作では飛び道具が追加された。遠距離から攻撃できるようになったのを主要な変更点でないと高を括っていたが、これが今作の最大の見せ所であった。遠距離攻撃は、キャラが弱いうちは針状の細いショットのみで随分と地味なのだが、キャラが強化されると火や氷、風といった属性魔法並の協力な攻撃が使用できるようになる。そして、それに伴い視覚的演出も派手に変化。ここで、TDモードに設置できるキャラは10人以上(出店コストの上限まで)であり、それら全員にこの強化された飛び道具を使用させると、至るところで火炎放射や岩石落としを始めとし、水に氷に星に光に闇にとあらゆる攻撃が飛び交い、その光景を表現するならば阿鼻叫喚とも地獄絵図とも。ここでようやくこの作品の副題である「アリスvs怒りのデス弾幕接待」の意味を知ることとなった。ひたすら続く暴力的な光景を呆然と見ながら、派手な演出効果を単純に、しかし大量に加算することの恐ろしさを実感させられた次第である。
 それ以外にも全体補助のシステムがいくつか加えられていたが、画面全体を覆う禁断のマップ兵器を何回も撃ち込まれて減り続ける資材に肝を冷やしたり、それをこちらが使えるようになって撃ち合いになったりと、こちらもこのシステムでこれはやりすぎだろうという阿鼻叫喚な光景が繰り広げられたのが面白すぎた。
 既存のシステムによる続編だからと正直甘く見ていたところもあったので、このような阿鼻叫喚を見せつけられたときの衝撃は一入であった。こういう驚きがゲームから得られるのは楽しく、そして何より嬉しいものがある。

 また、実績に素材に商品に能力と、前作並にやり込み要素も健在で、これを埋めていくのが今から楽しみで仕方ない。今回はかなりゆっくりプレイしていたので、初回クリアまでに実績が75/96とおよそ3/4達成してしまったが、それでも雇用も施設も不明なものが多く、未開発の商品もあり、やることはまだまだたくさんある。それにしても、今回も商品や素材1つ1つに説明がつけられていることには、本当に感服である。
 物語は、今回もまるで実家のような安心感が得られるえげつなさ。とはいえ、慣れたからといって面白くないわけではなく、マンネリと変化の塩梅に職人芸を感じる。

 システムの面白さは前作の安定感を残しつつも、呆然とさせられるほどの演出面での進化というかもはや超越振りがとにかく面白すぎた。コココソフトの作品は、とにかくやりすぎなことが大きな特徴の1つだと思っているが、その実力を今作でも十分に思い知らされた感である。

 それにしても、マニュアル代わりに前作を同梱するとは、なんと豪気な。まあ、システムを理解しながら進める作品なので、それが一番手っ取り早いのだが。

10月22日(土)
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