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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「AtoA R.RegulusIII」のこと
 自機はダメージを受けるとデミヒューマンポイントが増加(攻撃によるバッドステータスをガーディアンが引き受けて無効化するという設定)し、デミヒューマンポイントが増えると憑依させたガーディアンによる補助効果が得られる。ただし、その代償として入ってくるスコアが減少する。また、消費して前述のフレアを撃ち出すことができる。
 これらの操作を駆使して、各面目標となる敵を倒すことで面クリアとなり、攻撃を受けて自機の体力が無くなるか制限時間切れでゲームオーバー。

 今作で備わったシールドで物を掴む操作が、おまけテキストに存在意義は最終面のためにあり、その他の面ではおまけと堂々と書かれているのが実に潔い。そして、こうして製作者の意図を率直に反映できるのが、同人ゲームの特権でもあり、嬉しく思った次第。最終面のために用意したというだけあって、地上に落下する隕石をシールドがつかんだ剣でぶった斬るというお膳立ても上々で、シリーズを通して最高に豪快で緊迫感溢れる戦闘を楽しませてもらえた。また、4面でも仕掛けを動かすのにつかむシステムが効果的に活用されており、シールドの新たな方向性が示されたのではないかと感じている。
 また、今作ではいわゆるボスに相当する人型の敵が全面通してシリーズ最多の延べ5体登場。互いに慣性を無視した挙動で飛び交い、偏差射撃にミサイルに魔法にシールドと攻撃が総動員される戦闘は、この作品の華ともいえる。プレイヤーキャラとの戦闘や連戦もあり、1対1の白熱した空中戦が今まで以上に堪能できたのも好印象な点である。最初はとても歯が立たなくて絶対に時間切れ待ちだと思わせるような敵でも、操作を習熟すると互角以上に戦えるようになるのがこの作品の変わらない大きな魅力であり、この辺りの調整は毎回上手いと思わせるものがある。あと、細かい点ではあるが、人型の敵のシールドが表示できるようになったのが有り難い。このおかげで、畳みかける場面と一旦引く場面の判別がしやすくなり、抑揚のある戦闘がとれるようになった。というか、前2作でも人型の敵にはシールドが張られていたのだろうけど、この表示が実装されるまで全然気が付かなかった。
 もちろん、誘導ミサイルとの丁々発止のやり取りも健在。機敏な操作でミサイルの間をすり抜けたりシールドを活用して撃破しながら敵に肉薄するときの刺激と興奮は他に類を見ないほど独特で中毒性も高い。最上位難易度では笑えるほど大量の誘導ミサイルが押し寄せてきて最初は製作者の正気を疑ったが、下手に小細工せずともシールドを前面に出して中央突破できるのが操作的にも絵的にも面白すぎた。
 登場人物も、1作目では竜、2作目では戦神と毎度毎度一介のマジックユーザーが対峙するには桁外れの種族が登場してお次は何かと思ったが、魔王殺しで神殺しな勇者の剣とまたしても冗談みたいな存在であった。それに加えてイモータルとそれに仕えるサムライとか、今作も全然まともな人物が登場しなくていいぞもっとやれ。そんな連中だから物語の展開も会話の方も一癖も二癖もあり、そちらの面でも相変わらずの面白さ。人を見下すドラゴンや、力を誇示する皇帝もさることながら、それら上位の存在を臆せずに軽口を叩くマジックユーザーの不遜さが一段と際立っている。あと、コロナと皇帝を選択したときの最終面のデモで、皇帝のシャーマンであるはずのコロナが皇帝を敬うが故に反発する場面は、前作をプレイしていた身としてはコロナの立派な姿に嬉しさを覚えるものがあった。まあ、意気揚々な発言はリオンやリゼやアカガネの影響が強いのだろうと素直に喜べないところもあるのだが。それ以外でもコロナと皇帝の組み合わせの存在感は大きく、今作の主役はこの2人である感が非常に強かった。


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06月13日(月)
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