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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■続・「AtoA R.Regulus」のこと
 さて、操作に慣れると次に見えてきたのが先読みの妙である。この操作系は自由度が高く、自機が移動し続けるということもあって、手動で敵を狙い撃ちをするのがかなり難しい。しかし、照準範囲に敵を収めてロックすればあとは自動で偏差射撃をしてくれるシステムによって、簡易な(慣れは必要だが)操作で躍動感を保ちつつ狙い撃ちの醍醐味を堪能できるようになっている。とはいえ、あくまで偏差射撃なので激しく移動する敵にはそれでも中々当たらないこともあるが、そういう点も含めて偏差射撃で敵を仕留めることの愉悦を感じ取れるであろう。そして、先読みをするのは自機だけでなく敵もまた同様。通常の2Dシューティングでは弾を避けるのに弾道を読むものだが、この作品では自機の進路を塞ぐように攻撃を仕掛けてくるので、その裏をかいて避けるという駆け引きがそこに加わる。弾幕や高速自機狙い弾を避けるのとはまた違う刺激が非常に新鮮であった。
 シールドの活用による多彩な戦法もまた大きな魅力。攻防併せ持ったその性能は、引き出すごとにその強さを発揮していく奥深さを有していた。プレイ当初はシールドショットに頼りきりであったが、実はシールドバッシュこそがこの武器の真骨頂。遠方から突っ込ませれば進路状の攻撃を全て無力化させて露払いをし、近距離で出して自機を重ねればほぼ無敵、後ろに出すことで追尾してくる誘導ミサイルは破壊され、果ては偏差射撃同様に動いている敵にも狙って切りつけることまで。もちろん、シールドショットも攻撃の要であり、攻撃力自体の高さもさることながら、自機のショットと合わせての多段攻撃で敵に畳み掛けるのはとても痛快。このように、シールドを使いこなす程に激的に戦いが有利になっていくその過程は、実に楽しいものがあった。

 操作に慣れて漸く展開や演出に目を向ける余裕ができたのだが、こちらもまた印象深いものがあった。4面までは比較的穏やかなのだが、5面で物語は大きく動き、そこから最後までは盛り上がる展開が続く。
 特にお気に入りの場面は、5面の防衛戦と最終面。5面では、ダンジョンの奥には竜の卵があり、それを守る竜の眷属のアカガネ(自称、正体は伝説級の竜)が妨害をしていたという事の真相が明らかになる。今更竜と遣り合うつもりは無いと引き返そうとするのだが、既に竜が目覚め始めていたことが発覚。力ずくで叩き起こそうとするアカガネに対して、それを阻止すべく奮闘することになる。ここで、竜の卵目掛けて突進してくる敵を迎え撃つ防衛戦に突入するのだが、後ろには大量の誘導ミサイルを引き連れての戦いとなる。後戻りの出来ない状況で敵を倒す機会は一度きりという場面も多く、曲調も激しくなって熱い戦いが繰り広げられる。
 最終面では、結局竜は孵化してしまい、飛び去ってしまうところを追いかけて遥か上空で討つこととなる。冒頭で雲海を突き破って登場する竜の姿を初めて見たときは、その迫力ある演出にすっかり魅了されてしまった。そして、広大な空を舞台に巨大で圧倒的な攻撃力を誇る竜との戦いとなるのだが、まずこの状況だけで燃えるものがあり、しかも相手は高速で飛翔しているのでこちらも付いていくのがやっとの状態で、少しでも操作を誤ると敵の攻撃に突っ込んで大ダメージを受けてしまうという緊張感がそれに拍車を掛ける。また、この戦いの最中にアカガネが参戦し、竜は好きなように生きるべきだと主人公に叫ぶ場面は、悲壮感のある音楽と相まって心を打つものがあった。最早過去のものであるマジックユーザーと竜との対峙がどれだけの意味があるのかなどと考えると、何とも切なくなってしまうのである。


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10月26日(水)
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