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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■カタログチェックのこと
 「ちょっと霊夢ぬっころしたいわね……」とレミリア嬢の呟きを耳ざとく聞きつけたパチュリー。早速博麗神社までの地下道を掘ったものの、何の手違いか広大なダンジョンに。しかも、全員で協力しないと先に進めないという仕様のおまけ付き。というわけで、レミリア嬢率いる紅魔館組が霊夢を倒すため、長く苦しい道程を歩むことになった…。という、東方二次創作の迷宮探索アクションゲーム。

 レミリア嬢、咲夜さん、パチュリー、美鈴、フランドールの5人から1人を選択してダンジョンを探索して博麗神社までたどり着き、霊夢を倒すのが目的。ダンジョンは複数の区画に分かれており、そのうちのいくつかはキャラ固有の能力がないと突破できないようになっている。そして、その固有能力はダンジョン内に落ちているアイテムを装備することで発動する。というわけで、先ずはあるキャラの固有能力を使えるようにするアイテムを探しだし、その能力が無いと先に進めないダンジョンを攻略。そこで別のキャラの固有能力を使えるようにするアイテムを見つけて…という流れを繰り返して徐々に行動範囲を広げ、最終的に博麗神社にたどり着いて霊夢を倒すこととなる。
 「ドラスレファミリー」を題材にしているようであり、ゲームの進行もその面影を感じさせるものがある。

 雰囲気はとにかく緩め。キャラ選択画面ではフラン以外の全員が炬燵に入っているし(フランは襖の外からこちらを覗いている)、選択後は他のキャラに担がれてダンジョンに放り込まれる。自キャラは二頭身にデフォルメされ、敵キャラも毛玉や妖精、ゆっくりといったあまり害の無さそうなものばかり。そんな敵を倒しながらせっせとダンジョンを攻略していると、そのキャラの噂話が暢気にされている地上の様子が時折挿入される。
 と、そんな緩い雰囲気だから内容も緩めだと侮っていると痛い目を見ることに。広大なダンジョンは決して誇張ではなく、相当な距離を右往左往させられる。さらに、キャラ固有能力が必要なダンジョンでは、複雑に設置されたワープポイントに翻弄されたり、敵の攻撃に晒されながら非常に狭い足場を伝って移動していくなど、特徴的な仕掛けや構成で難易度が一段と上昇。決してお気軽にクリアできるような内容ではないことに気づかされるであろう。

 そんな広大なダンジョンを探索するのに重要なのが操作性。移動が大半を占めるだけに、操作性が悪いとプレイヤーのやる気にも影響してしまう。しかし、この作品はとにかく操作性が快適。実にきびきびと動いてくれて、ダンジョンの広さが苦になることは無かった。併せてマップ機能もあるので再探索の手間も省けると共に、探索を進めてマップを完成させていく楽しさも堪能できる。その広さゆえに、マップが完成したときは感慨深いものを覚えるかと。
 一方で、展開の起伏は決して大きく無い。基本的にアイテムを見つけて固有能力を発動させ、その能力が必要なダンジョンの奥にいるボスを倒す展開の繰り返しである。迷宮探索アクションというのはそういう展開にならざるをえないが、この作品は特に移動のみの探索時間が長い。とはいえ、地上での会話がイベント代わりに適度に挿入され、内容の緩さと相まって探索の単調さを良い具合に紛らわしてくれる。

 実は音楽もかなり良い。「東方紅魔郷」の各曲のアレンジなのだが、どれもダンジョンの雰囲気を重視して過剰な自己主張がなく、長時間聴いても飽きない。まず、最初に流れる「ほおずきみたいに紅い魂」からして見事なアレンジと感じた次第である。また、キャラ固有のダンジョンでは、その能力が必要なキャラに関連した音楽が流れるのがヒントにもなっているのも嬉しいところ。これはサウンドモードが欲しかった。

 見た目や雰囲気は緩いが内容は非常に手応えがあり、その不釣合いさがまた楽しい作品である。軽い気持ちで手を出したら大変な目に遭ってしまったが、その分満足度も高いものがあった。

07月31日(日)
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