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窓のそと(Diary by 久野那美)
by 久野那美
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■あの場所のあの子
子供のころ。
童謡がむちゃくちゃ怖かった。
あの感覚。今でもはっきり覚えている。
みんなあたりまえに口にするけど、そんな場所実は誰も知らない。
いつも一緒に遊んでるけど、その子のこと、実は何も知らない。
そんなものばっかりで作られた世界。
そのときそこに在ること以外に何もできない世界。
どこで出会ったのかも覚えてない。
だけどみんながあたりまえのように知っている。
ああいうものは今でも怖い。
でもあこがれる。
そのときそこに在ること以外に何もできない世界。
誰が誰に勝ったって誰からも譲ってもらえない世界。
誰からも、いつもちょうどおんなじだけ遠くにある世界。
♪よいこの住んでるよい町 が いったいどこにあるのか。
♪赤い靴履いてた女の子 は なんていう名前なのか。
今でもわからない。
あのとき知らなかったことは、今でもわからない。
どこからも、いつもちょうどおんなじだけ遠くにある世界。
だけどときどき。
私もそこに居るような気がするときがある。
01月27日(日)
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