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窓のそと(Diary by 久野那美)
by 久野那美
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■渋滞
いいことなのか悪いことなのかわからないけど、渋滞が分からない。
「そんなはずはない。」と言われるけど、でも、あれって結構難しいと思う。
「渋滞してる」ことを確認するためには、

@ 車が多く、道路が込んでいる。
A たびたび止まる。あるいは進んでいてもスピードが非常にゆっくりである。

 の2点を押さえなくてはいけない。

 さらに、

B Aの状態が一時的なもの、渋滞以外の理由に因るものではなく、長時間断続的に続いていなければならない。という条件がある。
乗り物に乗ってるときに、絶え間なくあたりを確認し、周りが@〜Bの状態にあるかどうかをチェックする余裕はなかなか作れない。

<動いた>とか<止まった>とかいう「出来事」について知るのはそう難しくない。その瞬間だけ注意を向ければいいから。でも、<常に動いている>とか<しばしば止まる>ということを知るためには、注意を常に一定の対象に向け続けていなくてはならない。油断すると途中でわからなくなる。けっこう複雑な知的作業だと思う。運転手以外のひとがみんなそんなに器用にできることだとは思えない。何度か挑戦してみたけど、そして、少しは分かるようになってきたけど、でもどうしても最後までは無理だった。

これは、でも、できないからといっても誰に迷惑をかけるわけでもないので、まあいいか、と思っている。それどころか渋滞の中何時間でも楽しそうに乗っているので喜ばれたりもする。ちゃんとできないことで喜ばれるのは複雑な気持ちもするけど、ちょっと嬉しい。

自分で運転できないからだと思うけど、乗り物に乗るのは大好きで、車なんか何時間でも機嫌良く乗っている。身体が静かにゆっくり振動するのは気持ちがいい。ついついぼおっとしてしまう。とっても楽しい。好きな時に外を見てもいいし、好きなときに別のことを考えていてもいい。バスとか電車に乗るのも好き。
特に、私は始めたことを短時間で中断したり、すぐに別のことにとりかかったりするのがかなり苦手な方なので、一定時間以上ぼおっとしてても「移動中」という名目がある状態ってすごく得した気分がする。

渋滞がわからないのは、嫌だと思わないからかもしれない。
急いて移動する機会がなかったからだと思うけど。
12月04日(火)
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