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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ かばんの傷。こころの傷。
また、やっちまいました。
ベキッと不穏な音がしたほうを見ると、床に転がしてあった木製のかばんを娘のたまが踏みつけたところ。
反射的に駆け寄り、かばんを手に取り、ベキッで壊れた場所を探して、「なんてことしたの!」と責める言葉が思わず口から飛び出し、そこまでぐっと涙をためていたたまがうわーんと泣き出して。
ようやく我に返りました。
たまは、わざと踏みつけたわけじゃない。
たまの歩く場所に、かばんを、しかも、よりによって木でできたかばんを転がしておいたわたしが悪い。
えこあす馬路村の木のかばん、モナッカ(monacca)。
こんなものが床に転がっている確率はかなり低いと思います。
その上を子どもが歩いてしまう確率となると、なおさら。
でも悲劇は起こってしまった。
そのとき母親が取るべき行動は、うっかり踏みつけてしまった娘の「やっちまった!」を、「大丈夫」とやわらげること。
なのに、傷口に塩を塗るようなことを、またしても。
そう、2年前のテーブル引火事件で、同じようなことをやり、大いに反省したのに、またもや咄嗟に「子どもよりモノ」を心配してしまった、成長してない母親です。
>>>2012年06月19日(火) 小さな焦げ跡より大きな傷
目をこらしてもなかなか気づかないような、小さな小さな傷のことで、大声出して叱りつけてしまった、愚かな愚かな母親です。
「悪かった。ママが全面的に悪い。たまは悪くないよ」
と慰めたものの、あとの祭り。
「ママなんか、だいっきらい! ママの子なんかに、ならなきゃよかった!」
と涙をほとばしらせ、部屋を出ていくたまの背中に、
「ママが好きになったら、もどってきてね」
と声をかけると、
「ママはずるいよ。なんでそんなこというの?」
と言い返してきたので、
「だって、ママをきらいになられたって、しょうがないから」
と言うと、しばらく間があって、たまが部屋に飛び込んで来て。
「ママ、だいすきにきまってるじゃない!」
と飛びついてきて、さっきよりさらにわーわーと泣いて、わたしも、さっきより愛おしさと申し訳なさがこみあげて、
「かばんの傷より、たまの心の傷を心配しなくてごめんね。かばんは直せるもんね」
と、ぎゅっとだきしめました。
心の傷の手当は、早いうちに。
こんなダメダメ母ちゃんでもいちばん好きって言ってくれる娘。
何度も失敗しても、何度も許してくれる娘。
ありがとう。ごめんね。だいすき。
>>>
2012年07月02日(月) 「ありがとう」と「ごめんね」と「だいすき」
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05月21日(水)
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