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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ ほねは、のこる。じゃあ、こころは?
ご近所さんが亡くなったと聞き、6歳娘のたまに保育園の帰り道そのことを伝えた。
「お悔やみのお花を届けに行こうか」と言うと、
「たまちゃん、おじさんのこと、おぼえてる。たまちゃんがおはなをえらぶ」と言い、薄いピンクのガーベラを中心に白とピンクのお花に。
花を包む紙は、ピンクかグリーンがいいのでは、とわたしが言ったところ、どうしても「あおがいい!」と言い張った。
ご近所さんのお宅を訪問し、花を手向けるときに、
「紙は青がいいってきかなくて」と伝えると、
「主人の好きな色、どうしてわかったんですか。骨壺は青磁にしたんですよ」と夫人。
偶然なのか、子どもならではの直感なのかわからないけれど、とても喜んでくださった。「たまちゃんにあげようか」と話されていたというディズニーキャラクターのタオルをいただいて帰った。
「おじさん、どこにいたの?」と聞くので、
「骨になって、あの箱の中にいたんだよ」と答えると、
「どうやってほねになったの?」
遺体を「焼く」と言うと、お魚のようにこんがり焼き目をつけるのを想像してしまうだろうなと思い、
「燃やして骨にするんだよ」と話すと、
「そしたら、はは、どうなるの?」と聞くので、
「はも、ほねといっしょにのこるんだよ」と答えると、
「じゃあ、こころは?」
こころはねえ……と少し考えて、
「心は、会った人たちの心に残るんだよ」と答えた。
人が死ぬということについて、どれぐらいわかっているんだろうと思っていたのだけど、だいぶわかっていたんだなあと実感。
そして、「遺体を燃やしたら、心はどこへ行くのか?」という質問に、哲学を感じた。
形のある骨は、残る。
形のない心は、誰かの心に宿る。
形として、残るもの。
別な形で、残るもの。
今の家に越してきてからのご近所さんなので、おつきあいは短く、お会いしたのも数えるほど。それでも、たまの心に「さんたさんみたいなひとだったね」とあたたかいものを残してくれたおじさん、ありがとうございました。
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01月28日(月)
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