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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 最も美しいラブレター『絶後の記録』
8月6日ということで、わたしが「最も美しいラブレター」だと思う一冊をご紹介。
『絶後の記録―広島原子爆弾の手記』(小倉豊文)
原爆症で亡くなった妻への手紙という形を取って綴られる体験記。著者が妻を思う気持ちが胸を衝くたび、二人を引き裂いた戦争と原爆を憎まずにはいられなくなる。序文(日付は1949年2月)で高村光太郎氏は「この記録を読んだら、どんな政治家でも、軍人でも、もう実際の戦争をする気はなくなるであろう」と記している。
「紙の墓」と題した著者・小倉豊文氏の詩に、「亡き妻に」と副題があり、妻にあてた手紙を本にした気持ちが綴られている。ノーモアヒロシマズの祈りが出版に駆り立てたのだが、印税を受け取ることに葛藤した。悩んだ末、印税をみんなに使ってもらおうと決心がついた……と語りかける長い詩は、
お前のお墓を建てるのも
しばらくみんなおあづけだ
本をお墓と思つてくれ
地上の
つめたい一つの一つの墓石より
も無方にちらばる
無数の紙の墓の方が
お前もやつぱりいいだらう
第一、
軽くていいだらう
と結ばれています。
この「紙の墓」を一人でも多くの方に手に取ってもらいたいと願います。週刊ブックレビューにもう一度出演する機会があればこの本を紹介したいと思っていたのですが、それが叶わず残念。
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08月06日(月)
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