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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 黒い雨のデマと本物の放射能の恐怖(1か月前)
これはもう長期戦だ、と開き直ったものの、「レベル7」への引き上げと余震で動揺は続く4月14日、ひと月前を振り返り、更新が遅れに遅れた日記をつけている。
地震から2日経ち、ツイッター上は地震情報一色となった。関係ない日常の他愛もないことをつぶやくと不謹慎であるような空気に支配されていた(ほどなく「不謹慎狩り」と名づけられる)。
「広めてください」と「コスモ石油の爆発で黒い雨が降る」ことへの注意を呼びかける投稿が来る。怪しいと思って、ダンナが石油会社に勤めるMに電話すると「そんな話聞いてない」と言う。
たまのボーイフレンドの家に遊びに行き、「生協すごい人ですよ」と言われ、たまを預けて見に行く。買い物客は思ったほど多くなく、平日の夕方ぐらいだった。それもそのはず、水やカップ麺の棚はきれいに空になっていた。牛乳をカゴいっぱいに買っている人もいた。賞味期限内に飲みきれるのだろうか。
普段からカップラーメンは食べないので、とディチェコのパスタを買って帰る。ディチェコはいつも通りふんだんにあった。しかし、電機もガスも止まったら、カップラーメンもパスタも食べられない。
たまとボーイフレンドを公園へ連れ出そうとしたら、仕事に出ているダンナから緊張した声で電話があり「福島で原発が爆発した」と言うので、あわてて引き返した。Mに再度電話し、「今度は原発が。こっちはほんとみたい」と話す。
「停電に備えてお米たくさん炊いておにぎり作って冷凍しとく」とMが言うので、「停電したら冷蔵庫も止まるよ」と言うと「うわ!アホや」と絶句し、二人で大笑いした。同じ会社で働いていた頃は毎日の昼と夜と休日まで、週のうち二十食ぐらい一緒に食べて、家に帰っても長々と電話していたMと「怖いよねえ」とだらだらしゃべっていると、気持ちが落ち着いた。
電話をしながら、わたしはお湯を沸かし、飲み水のストックを作った。洗い物の水も汲んだ。たまがポリ容器を拭いたり水を注いだりを甲斐甲斐しく手伝っていた。何かしていないと考え過ぎてどうにかなってしまいそうだった。手を動かすことで、非常時に立ち向かっている手応えを得ようとしていたのかもしれない。
原発の爆発は水素爆発で、放射能満載の真ん中が爆発したわけではない、とその後わかり、いったんは胸をなでおろすが、なぜか「ありえない」と言われたことがその後次々と起こり、やっぱり危なかったじゃないかとマスコミが怒ると「想定外」という言葉が繰り出された。
想定外というのは、想定していなかった(未想定?)自分の責任を、出来事のせいにすりかえられる便利な言葉だ。この言葉と、ACのサウンドロゴと、緊急地震速報を人生最高の頻度で聞き続けることになる。
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映画『タイタニック』でいちばん心打たれたのは、最後まで演奏を続けていた音楽家たちの姿。そのシーンが繰り返し蘇る。被災地でも、影響を受けた各地でも、いま自分ができること、すべきことをひたむきにやり遂げる人たちが、他の誰かを支えている。
posted at 23:23:57
@3192namxam 何ができるのか、わたしも考え続けています。ライフラインが復旧したら音楽と言葉とお好み焼きも届けたい。笑いもね。 #ideaforlife RT @3192namxam @masakoimai 被災地の子どもたちが元気になる『何か』考えてます。一緒に何か!
posted at 23:16:41
仕事でオーストラリアのことを取材したとき「とにかく水を大事にする国」だと言われた。水が貴重だから節水が徹底されていると。あたり前のように電気が届くことがどれだけ大変なことか身にしみてわかった日本、節電体質の国になってもいいんじゃないか。
posted at 23:09:28
一緒に観ます。番組表http://j.mp/f7lAlv RT @unisontabuchi NHK教育が14日から朝7時からと夕方16時、各2時間子供向け番組を放送(略)不安になる映像ばかりで無関心ながら記憶に爪あとが残るお子さんも沢山いると思います。「ほら、いつもの日常だよ」
posted at 22:55:10
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03月13日(日)
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