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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ メデコミ会トークライブで即興脚本(1か月前)
この日記を書いているのは3月31日。たまは今の保育園が最後の登園日。3歳児クラスまでの小型園を出て、明日から2年間、大型園に通う。地震があった3月11日からは20日経った。明日で3週間。被災地から遠く離れた東京でも動揺と混乱は続いている。自粛と萎縮も続いている。でも、上を向いて歩こう、という力強い声が高まっているのも確か。
この日、3月7日は、泉北カレー会で知り合った鶴野充茂さんが10年間続けているメディアコミュニケーション研究会、通称メデコミ会の月例会のゲストスピーカーに招かれ、初めてのトークライブ出演をした。ライブ形式の講演といえば良いだろうか、お台場にあるカルチャーカルチャーという飲食できるカルチャーライブハウスのような会場で、参加者の皆さんにはお酒やおつまみを楽しみつつ、トークを聴いていただく形式。
そう、24日前のその日、わたしの最大の関心事は「今日のトークライブが成功するか」だった。何人来てくださるか」ぶっつけ本番の即興脚本が果たしてどうなるか……。
即興脚本は、もともと鶴野さんと「何をしましょうかねえ」とメールで相談し合う中で、「脚本が生まれる瞬間に立ち会ってもらうのが面白いのでは」とわたしが提案したもの。さらに2月23日に鶴野さんのustream公開打ち合わせ番組「まめさんテレビ」に出演した折に出会った作曲家の尾飛良幸さんが加わることになり、尾飛さんが「音楽っていつも映像の後づけなんですよね」とぼやいたことから、「メロディ先行で後からドラマをつけよう」と盛り上がり、メロ先即興脚本をやることになったのだった。
18時過ぎに会場入りし、まかないのカレーをいただきつつ鶴野さんと段取りを打ち合わせ。
開場の19時から参加者が一人また一人。ネットでつながり、お会いするのは今日が初めてという方が4名。ツイッターでつながったツブヤ大学の方、朝ドラ「つばさ」ファンクラブの川越の方、mixiで知り合った高校の大先輩、「てっぱん」ファンで脚本家を調べてくださった方(この方も同じ高校出身。縁を感じてメールをくださった)。元同僚、シナリオ講座の教え子など友人知人が10名ほど。あとは今日初めての方々。自己紹介代わりに、エッセイ「出張いまいまさこカフェ」を連載しているフリーペーパーbukuと「てっぱん」のポストカードを入口で配る。
19時半開演予定がずれこみ、45分ぐらいから鶴野さん、尾飛さん、わたしでトーク開始。三人の前には各自のパソコン。尾飛さんは曲を出す機械も。まずは、この日のために書き起こしたという4曲を聴かせてもらい、会場の皆さんに曲からドラマを想像していただく。わたしと鶴野さんも同時スタートで考える。あとはアドリブ、即興の流れ。会場の参加者からアイデアを募り、鶴野さんに無茶ぶりし、わたしの一人ブレストを挟み(普段は頭の中で起こっているアイデア出しを実況する感じ)、ストーリーを進めて行く。作りつつ脚本を打ち込む予定だったけれど、ブレストしながら同時に打つのは難しいと判断。考えてみれば、10分のドラマの脚本を打つことに集中しても一時間かかるわけで、しゃべりながらでは倍かかってしまう。
というわけで、脚本執筆は間に合わず、脚本開発のブレストを公開する形となった。脚本作りは選択の連続。ありとあらゆる可能性を出し合い、検証し、議論を尽くし、ひとつの答えに行き着く。一時間余りでは語り尽くせなかったけれど、いつも映画やドラマの打ち合わせでプロデューサーやディレクターと侃々諤々やりあっている現場の雰囲気や醍醐味を、いくらかでも伝えられたのではと思う。
トーク終了後は、参加者の皆さんとの歓談タイム。一人一人とは5分も話せなかったけれど、脚本の成り立ちに興味を持ってくれた方が多かった。自分も書いてみたいと言ってくれた方もいて、うれしかった。写真は、メデコミ会やまめさんテレビの常連の経営コンサルタント、野田宜成さんと。「すごく面白かった!もっと聴きたかった!」と興奮気味に言ってくださった。
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03月07日(月)
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