ID:93827
脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
[786284hit]
■ おおしまさんとランチ→アプリ勉強会
おおしまさんは、わたしが広告会社マッキャンエリクソン(当時は博報堂がついていた)にコピーライターとして入社して最初に配属されたチームの先輩CMプランナーだった人。初めて会ったのは、入社前のランチで、わたしを囲むクリエイティブ局の華やかなお姉さま方の一人だった。黒ずくめにスカーフ、飛び交うカタカナ、海外ロケでのエピソード。京都で応援団漬けの大学生活を送っているわたしには、遠い世界で、4月からこんなとこでやっていけるんだろかと深海魚が地上の島を見るような気持ちだった。
入社は、わたしの4つか5つ上。仕事ぶりはそれ以上の開きがあり、永遠に追いつけないというより足を引っ張ってばかりの新人だった。それでも、年を重ねるというのはいいことで、わたしがおおしまさんの刺激になれることも、少しずつふえてきた。そういえば、わたしが脚本を書き始めた頃、わたしのラジオドラマを聴いて、いちばん熱い感想を寄せてくれたのもおおしまさんだった。人の評価よりも自分の直感で、真っ直ぐな感想や意見を言ってくれる人で、わたしは、こういう人を信じる。
おおしまさんが別な広告会社に移り、わたしが会社を辞めてからも、年に一度ぐらいの割合でひょっこり再会していたけれど、いつも大勢での集まりだったので、「今度二人でゆっくり会おうよ」と言ってくれていた。おおしまさんも去年会社をやめて、今はフリーの身。そして、「てっぱん」を熱心に観てくれている。
わたしが午後から芝公園の会社で打ち合わせがあるので、その前に駅の近くでランチをとなり、おおしまさんが見つけてくれたplace in the sunというサンドイッチ屋さんで待ち合わせる。観葉植物が生い茂る店内はとてもわたし好み。オープンした11時からランチタイムの混雑を経て再び静かになった2時前まで、スープとハンバーガーとお茶で粘る。わたしにとって広告の世界はずいぶん遠い昔のことになっているけれど、おおしまさんも会社員だった自分をすでに客観的に見ていて、「自分の看板で仕事する」心意気を熱く語っていた。でも、会社時代があったから、フリーとしてどう生きていくかが見えたんだよね、などと話す。
懐かしい人たちのその後を噂し合ってたら、時間が足りなかった。漫画みたいに極端で過激で面白い人や出来事がゴロゴロしてる会社だった。それでもわたしが入社した頃はだいぶ中和されていたらしい。昔はサングラスかけて色校正しているツワモノがいたという。
さて、充実のランチを終えて向かった先は、これまたマッキャン時代のご縁で、サイト制作で一緒に仕事していた人が「アプリを作りませんか」と声をかけてくれ、その会社を訪問。そもそもアプリって何ができるのか、脚本家がどうからめるのか、よくわからないので教えて欲しい。なんだったら、脚本家仲間を連れて行って意見交換させて欲しいと申し出て、わたしを含めて7人でお邪魔することになった。
久しぶりにクリーンな会議室とスーツを着た人を前にして、広告時代のブレストの雰囲気を味わい、興奮。人気のアプリをipadで紹介してもらいつつ、自然と意見が飛び交い、刺激的な勉強会になった。最後に脚本家が一人ずつ得意分野をアピールしたら見事にばらけた。ラブコメ、ホラー、ミステリー、古典芸能、戦闘もの……わたしは育児と鉄道と食べ物のアプリに挑戦したいと言った。比較的低予算で実現してしまうが、似たようなことは誰でも思いつくし、収益を上げるようなアプリはほんのひと握り。「その差は本気度」だという。
それにしても、会話に飢えている脚本家はわたしだけじゃないってことがよくわかる。打ち合わせが終わってから、会社の一階ロビーで弾丸トーク。ここだとうるさいから移動しましょうとなり、会話を飛ばしつつ近くのタリーズへ。傍から見たら怖いぐらいの勢いとスピードで言葉が行き交っていたと思う。
>>>今日の日記をTweetする
今日のtwitterより(下から上に時間が流れます)
>>>もっと読む
あの人、陶芸習ってなかったっけ?と言うところを、土器習ってなかったっけ?と言ってしまい、大笑い。土器…いつかネタに使おう。
posted at 22:51:22
[5]続きを読む
02月10日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る