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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 日本文理大学チアリーディング部に刺激されて
日曜日のこと。ひろしま駅伝と「てっぱん」の連動CM目当てにNHK-bsをつけていると、「スポーツ大陸」という番組で「絶対にあきらめない〜チアリーディング 日本文理大学〜」と題して、全国大会で連覇を果たしている大分の日本文理大学チアリーディング部「ブレーブス(Braves)」を密着していた。
わたしが応援団のチアリーダー部にいたのは、平成元年から5年。入部した年は、スタンツ(当時はピラミッドと呼んでいた気もする)の上に人を上げるために、四つん這いになって台を作っていた。新入部員のわたしがその「台」を演じたのだけど、アメフトのハーフタイムショーで、敵の応援席から「ケツ向けんな!」と野次られてしまった。
わたしがいた4年の間に、日本チアのレベルは飛躍的に上がった。全国最後方あたりをよちよち歩いていたわが部も、チアリーダー協会のセミナーやら合宿やらに顔を出し、目からウロコをぼとぼと落とし、糸電話から黒電話ぐらいの進化を遂げた。わたしが卒団する頃には、三段のスタンツをワンツーダウンアップ、アップぐらいの時間で立てられるようになり、台だったわたしも三人掛かりの手の上に立てる(エクステンションと呼んでいた)までに成長した。
あれから幾星霜と言っても、20年足らずではあるのだけど、アメリカから技を輸入し、必死にその背中を追いかけていた日本チアは、今や海外から視察が来るほどの世界最高レベルを誇る。なんといっても組体操の長い歴史がある(おそらくアメリカにはない)し、集団で努力するのは日本人の得意領域。わずか数十年で頭角を現してしまったのもうなずける。
ということを思ったのは、すでに何年か前のチア全国大会をテレビで見たときで、それからさらにレベルが上がったことを、日曜日に見たスポーツ大陸で思い知ることになった。なんというか、技の安定度が違う。難易度は上がっているのだけど、それをこなすだけの筋力体力を備えているから、見ていて危なっかしさがない。それは全国のレベルが上がったというより、密着されている日本文理大チアリーディング部の実力なのかもしれない。
うむ、ここまで来たか、とテレビの前で正座して、うなった。
わたしがいた頃とは黒電話とスマートフォンほどの隔世の感があった。けれど、技が完成しないもどかしさ、悔しさは、わかる、わかると言いたくなる懐かしさがあった。自分を信じて持ち上げてくれているベースを、失敗して、裏切ってしまうような、トップのやるせなさ。レベルは雲泥の差ながら、かつて自分が味わった汗と涙のしょっぱさを思い出し、甘酸っぱさがこみあげた。
ミュージカルを見ても、そうなってしまうのだけど、全身をめいっぱい使って何かを訴えようとしている人を見ると、あの頃の感覚が体に蘇り、自分も何かしたくなってしまう。埋み火に風が送られ、もう一度燃え上がろうとしてしまう。
番組を観た後、久しぶりにたまをショルダーシット(肩車)してみた。一年ほど前は軽々とショルダースタンドができたのだけど、今は重くなり、持ち上がらない。そこから、腰をつかんで、わたしの頭上からたまの体を抜こうとしたら、ゴンと派手な音がした。勢い余って天井に頭をぶつけてしまい、たまは大泣き。見ていたダンナは「たまは全然乗ってないだろ。かわいそうに」とあきれ果てた。
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01月26日(水)
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