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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ みんなのなかの、ひとりぼっち。
小学校での孤立を苦にして、女の子が命を絶った記事と、何度も目が合う。

その少女が一人で食べた給食の淋しさに寄せて、今朝の読売新聞一面のコラム「編集手帳」に芥川龍之介の歌が引かれていた。〈幾山河さすらうよりもかなしきは都大路をひとり行くこと〉。誰もが淋しいところでは、淋しさはこたえない。自分だけ独りだから淋しさが募る。上京した年の隅田川の花火の帰り、一緒に花火を見た女友達が彼氏と落ち合うと言って去った後、人波に逆らって一人で駅に向かっていたら涙が止まらなかったことを思い出した。

教室や部活で孤独を感じたことは、わたしもあった。でも、ぎりぎりのところで、誰かが声をかけてくれ、輪の中に引っぱってくれた。

多くの子は、一度は輪からはじき出され、元の輪に入るなり、別の輪を作るなり、自分だけでいいやと開き直るなり、自分なりに折り合いをつける。でも、中には、あの輪に入りたいと願いながら入れず、それが死ぬことよりも辛いほど追い詰められる子がいる。

記事の少女が首を吊ったのは、母親に贈るはずだったマフラーだったという。

教室での孤立で思い出したのは、中学一年のクラスのこと。きっかけは女子同士の軽い嫉妬。そこから教室が変な雰囲気になっていったとき、担任の先生はホームルームで話し合いの場を持たせた。

去年実家で再会した日記に、その日のことがびっしり書き込まれていた。涙ぐしょぐしょの本音ぶつけ大会。いちばん泣いていたのは一言も口を挟まなかった担任の先生だった。大人も悩み惑う、いや、きっと、大人だからこそ、わたしたちよりも苦しんでいたのだろう。

救いの手を差し伸べるはずの先生も生徒との関係に悩む。自殺した少女の学校の先生たちもまた。誰もが、彼女を、そこまで追い詰めたかったわけではなく、でも、結果的に、そうなってしまった。あまりにも救いがなく、実にやりきれない。

以前は、自分が子どもだった頃を思い返しておしまいだったけれど、今は、現在の自分で折り返して、自分の子どもの将来を想像せずにはいられない。保育園でのマイペースぶりを見ても、たまは器用に渡り歩くタイプではない。本人も「ひとりでいきる」と言ったりする。

みんなの中で一人になっても、輪っかからこぼれ落ちても、自分を否定しないだけのたくましさを。そして、輪っかの中にいるときは、外にいる子に目を配れる子であってほしいと願う。
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@margalita それで手打ちに!?父→ @imasenhigh RT @margalita では今井さんはお父さん似(根拠なし)の美人ってことで妥協 RTすごく好きですけど似てると言われたことないのでご安心ください RT @margalita 山口智子さんに似てる美人
posted at 22:52:04

@mahochips ありがとうございます。今年も泣いてください。「男子部の秘密」が新作です。RT @mahochips 去年もこれで泣いてた気がする。USJのクリスマスの短編小説。 http://www.usj.co.jp/limited/
posted at 22:48:04

すごく好きですけど似てると言われたことないのでご安心ください。RT @margalita すてきな贈り物ありがとうございます。それに今井さんがちょっと山口智子さんに似てる美人さんなのにビックリ。ずるいではないかぁ〜RT @masakoimai USJ特設サイト今井雅子の短編小説
posted at 22:42:00

@cmamshon USJクリスマス、まだ実物見てないのでうらやましいです。今年もレポート楽しみにしてますよ。
posted at 22:40:20

うちは女子一人ですが子育ては体育会系。ジャージ似合うし。RT @cmamshon 今年も泣かせていただきました。でもほのぼの・・・男子部いいなぁ。うちは女の子ばかりだから^^ RT @masakoimai: 短編小説「クリスマスの贈りもの」 http://j.mp/9kyd3R
posted at 22:39:51


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