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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 5年ぶりの林世宝さんと映画の話
ニューヨーク在住の芸術家、林世宝さんと5年ぶりに再会する。友人のユキちゃんサトちゃんがニューヨークに住んでいた頃のご近所さんで、林さんが愛知万博に出品する知恵の門の材料となる「いらなくなったペン」募集の告知をお手伝いした。万博で来日した林さんと会ったのが2005年10月。そのときから間もなく5年が経とうとしている。当時は影も形もなかった4才娘のたまを連れて、林さんを囲む会の会場、清澄白河のギャラリーカフェ「そら庵」さんにお邪魔した。

林さんの来日を知ったのは、ツイッターで。わたしの日記を引用してくださった方のページへ飛ぶと、林世宝さんの知り合いだとわかった。その方に8月末に来日するんですよと教えられ、今日の会の案内をもらったのだった。

ジューサーで作ったフルーツジュース(グアバナバというバナナに似た味の果実とミルクをミックス)をいただきながら、林さんを囲んでお話。今回の緊急来日は映画制作の協力を求めるための行脚が目的とのことで、それについての意見も求められる。先に述べたペンから知恵の門を、善意のペニー100万枚から大きな貨幣を、使用済みおしゃぶりから巨大クリスマスツリーを作ってきた林さん。長年の夢である映画制作も、一人一人の力を集めて実現させたいと熱っぽく語る。「集夢計画」と名付け、キーホルダーやバッグやTシャツを販売し、制作資金を募っているという。

その熱意に打たれつつ、肝心の映画の輪郭が見えていないところが弱い、惜しいと感じる。門を作るのにペンが必要、ツリーを作るのにおしゃぶりが必要、と言われれば、何のために何を差し出せばいいかわかる。けれど、内容は決まっていないが先立つものはお金なので支援をと言われても、協力の輪は広がり辛いのではないか、と。

とにかく映画を作りたい、という人はたくさんいるけれど、作ることが目的ではなく、訴えたいもの、表現したいものが先にあって、その手法として映画があるべき。林さんはこの映画で何を見せたいのか、それはこれまでの行動アートの延長上にあるべきものだと思う。「一人一人の力を合わせて映画を作る」過程そのものをドキュメンタリー映画にすることだって考えられる。製作費0円の映画を実現させるために、人が自分の時間を、衣装を、小道具を、演技を差し出す。それをアートとして見せる手もあるんじゃないかと。

劇場公開を目指して長編を作っても、小屋を確保するのは難しい。公開が決まらずに不良債権となって眠る日本映画は年に何十本とある。最初から長編を作る必要があるかどうか。短編で賞を狙う道だってある。守りに入るような発言をしてしまったが、映画で儲けるのは本当に難しいから、善意を無駄にしないことを考えないと。行動アートの集大成を映画となるような、林さんにしか作れない映画を作って欲しい。

それにしても、映画の夢を語る林さんの熱さ、真っ直ぐさは、5年前に会ったときよりもむしろ増していたほどで、この人の情熱があれば、映画だって作れてしまうのではないか、という気持ちにさせられる。夢を引き寄せる力がある人という印象をあらためて持った。

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林世宝さん http://j.mp/b4lN6Z とツイッターの縁で再会。繋げてくれた @katoyuka さん、集まった方々、会場のそら庵さんともいい出会いRT @soraansansho 台湾出身でNY在住の造形美術家、林世宝さんを囲む http://j.mp/b2vQIM
posted at 23:52:43

新しくなってます、朝ドラ「つばさ」ファンサイト。 http://tsubasa.mue2.com/ RT @kawagoe_walker ファンサイトは近々更新されます。
posted at 23:36:11

「てっぱん」ポスターをなじみのお店に貼ってもらうことに。第一号は巣鴨にあるパン屋のアルルさん。 http://j.mp/dcQiqZ 話好きのパン爺さんとの出会いは、保育園のクラス行事用に注文した「でか!あんぱん」。小さなお店に個性的なパンがずらり。
posted at 19:01:16


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