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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 「しあわせにんじん」事件
木曜日のこと。「ママ、きょう、たまちゃんね、しあわせにんじんだったんだよ」とたま。保育園では、野菜嫌いを克服させるため、毎日誰かの給食のおかずにハート形の人参をしのばせる。「わあ、たまちゃん、しあわせにんじん当たった〜。良かったね」と保育士さんにのせられ、お友だちから「いいなあ」と羨望の眼差しを向けられ、苦手な人参を気分良く食べられる魔法がかかるというわけ。

「へーえ、たまちゃん、当たったの? じゃあ、食べたのね?」とわたしが言うと、「ううん、たべなかった」。「どうして? 幸せ人参食べないと、幸せになれないよ」。すると、たまは、「みただけで、しあわせになっちゃった」。その答えがおかしくて、思わず笑ってしまったのだけど、その翌日の金曜日のこと。たまが幸せ人参を食べなかったと知ったパパは、「なんで食べなかったんだ!」と怒り出した。その剣幕におののいたのか、たまはわたしに返したチャーミングな答えではなく、「いつもはたべてる」と言い訳してしまった。それがまたパパの怒りに油を注ぎ、「嘘つくんじゃない!」ときつく叱られて、たまはウワーンと泣き出した。

「あんなに𠮟ることないのに」とわたしがなじると、「子どものくせに、変な言い訳するのが、けしからん」とパパ。確かに、叱られたくないからと嘘をつくのは良くないよね。でも、そこまで悪いことしたわけじゃないし……と言うと、いつものように「君は甘すぎる」とわたしも叱られた。

そんな出来事を、土曜日を挟むと親二人は忘れてしまっていたのだけど、たまは小さな胸に引っかかりを残していたらしい。今日、一日遅れのじいじの誕生日をお祝いしに、じいじの家へ行き、甘味喫茶でデートした帰り、「かた、かう」と言い出した。「かた」とは型抜きの型のことで、自分で幸せ人参を作ってみると言う。通りがかった大型スーパーに寄ると、ハートの他に星や魚やウサギや犬があり、その5つを買い求めた。同じ店で型抜きするための人参と大根とじゃがいもとハムも買った。

「たま、幸せ人参作りたいんだって」とパパに報告すると、「そうか。たまなりに反省したのか」とパパは満足げ。早速型抜き開始。子どもの力では抜けないし、大人も相当力を入れないと抜けず、自分の手に跡がつく。汗だくになって型を抜き続ける両親を、たまは見物。

型抜きを終えた野菜とハムをだしで煮込み、スープを作る。型抜きの残り野菜は、まとめてゆでて冷凍庫へ。ウサギやハートが泳ぐスープに、たまはひと口つけただけで、肝心の野菜はほったらかし。あれ、食べるんじゃなかったの? でも、まあ、食べたほうがいいことはわかっていて、歩み寄りを見せたわけだから、進歩だよね……とまた甘やかしてしまうのだった。

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先日通りがかって、良さそうだなと思った巣鴨の地蔵通りの花屋さん「花正」でミニブーケを。予想はビンゴでとても気持ちのいいお店。 http://hanashow.com/
posted at 20:39:43

【たま語】お風呂から聞こえるたまとパパの会話。「ねえ、いくらはだれのともだち?」。すじこだよとパパ。「すじこはなにのともだち?」。たらこだよ(←適当だなあ)。「たらこはなにのともだち?」……お寿司が食べたくなってきた。
posted at 20:36:35

【たま語】夕飯の匙を置いて「もう、なんも、なかに、はいりません」。それは、おなかいっぱいの詩的な表現なのか。
posted at 20:34:50

昨日の明日は今日。なんかのタイトルになりそうです。RT @yoko_d とても洒落ています(笑) RT
@masakoimai 【たま語】最近はだいぶわかってきたようで「きのうのあしたはきょう?」などと洒落たことを
posted at 13:25:10

@kawagoe_walker ありがとうございます。また「つばさ」ファンサイトをのぞきますね。
posted at 13:23:05


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08月08日(日)
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