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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 朝ドラ「てっぱん」ロケで尾道へ
24日の月曜日にクランクインした朝ドラ「てっぱん」。ロケ撮影中の尾道へ、ロケ見学と打ち合わせを兼ねてお邪魔する。「てっぱん」チームに加わって半年、資料で想像を膨らませていた尾道を、ようやく自分の足で歩き、眼で確かめられる。

東京から新幹線で福山へ。新大阪を過ぎてから一時間ちょっと。思っていたよりずっと近い。福山駅のホームに降り立ち、「福山なう。雅治ではなく駅です」と携帯電話からツイッターでつぶやきかけたら、目の前に「福山のシンボル福山城」の看板。キャッチコピーの下にちゃっかり龍馬伝のポスターが二枚貼られていた。

福山駅の電車入線メロディは「♪百万本の真っ赤な薔薇を〜」。加藤登紀子さんとご縁があるのかしら。

福山から20分ほどガタゴト揺られて、尾道へ。線路のすぐ向こうにひらける田んぼや海を臨みながら、旅気分を味わう。緑が眩しい。海も眩しい。「パソコン前で膨らみきったローカル線に揺られたい願望を満たされております」とツイッターに書き込んだら、その日のうちに鉄道通でご近所仲間のT氏より「山陽本線はローカル線ではありません」と指摘があった。いい意味でローカル線のような情緒があるということで。

窓の外にたくさんの船が見えてきて、おお、尾道だ!と興奮しているうちに、電車は到着。

お昼は尾道焼きと決めていたので、駅を出て最初に目に留まった「トマト」という店に入り、砂ずりのお好み焼きを注文。「テーブルで食べますか、鉄板で食べますか」と聞かれて、「てっぱん!」と思わず声を張り上げてしまった。

砂ずりはお好み焼きに入れるとクセがなく、コリコリとした歯ごたえで、ここにいるな、とわかる。

スタッフルームのあるホテルに顔を出し、休憩中の瀧本美織さんにブログ読んでますよと伝える。ラフなTシャツ姿だったけど、起きがけという設定の衣装とのこと。

次の撮影場所は歩ける距離にあるというので、プラプラ歩いて向かう。尾道は陽射しが強い!

撮影場所の突堤に着くと、見知った男性スタッフたちが大阪で会ったときよりひと塗りふた塗り焦げ茶をのせたみたいに日焼けして、海の男のようになっていた。女性は日焼け止めやタオルやUVカット傘で防御。油断していたわたしは、あわてて日焼け止めを貸してもらう。

ヒロインあかり一人の場面の撮影で、見に来ていた村上家の兄二人、欽也役の遠藤要さん、鉄平役の森田直幸さんと初めて話す。すでにアニキと弟という感じになっていて、微笑ましい。

じりじりと太陽に照りつけられて、冷たい物が欲しくなり、地元の名物という「からさわアイスクリーム」を食べる。海を見ながらアイス最中、もう気分は夏! アイスは甘すぎず、口の中でほろっと溶けるやさしい味。これは何度でも食べたい。

撮影現場を離れて、ディレクターさんに山のほうを案内してもらう。ロープウェイの山頂近くから尾道の街を見渡してから、石段の道を海に向かって下りていく。あかりもこの景色を見ているんだな、あかりもこの道を歩いているんだなと感じながら。

コンクリートが固まりかけたところに猫が通って足跡がついた「猫の道」。その界隈にはわたし好みのギャラリーやカフェが点在。

長い石の階段の途中に、城のような石垣がそびえている。この石、どうやって運んだんだろう……しばし見上げてしまった。

渡船で渡った向島にヒロインあかりの一家が住む村上家と村上鉄工所がある。あのクレーンが立っているあたりですよと教えられる。


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05月30日(日)
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