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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ たま夢中「おっちゃんごっこ」とは何ぞや
このところのたまの口癖は「おっちゃん」。ほめると「だって、たまちゃん、おっちゃんだからね」。機嫌をそこねると、「そんなこといったら、ママ、おっちゃんになっちゃうよ」。先日は「たまちゃんがしんだら、ママ、どうする?」と究極の質問をぶつけられて固まっていたら「おっちゃんになっちゃう?」。今たまの頭の中はおっちゃんでいっぱいらしい。

たまがおっちゃんにはまったのは、嘉門達夫さんの「おっさんおっさんいろんなおっさん おっさん出て来てこんにちは」という歌をわたしが口ずさんだせいだと思う。「おっちゃんとおっさんはどうちがうの?」と聞かれて、うまく答えられなかったけれど、最近のたまはもっぱら「おっちゃん」を愛用。先日の高尾山(タカオッサン)ダジャレのように「たまちゃんはタマオッサン」と状況に応じて「おっさん」も使うけれど、おっちゃんの響きのほうが気に入っている様子。

最近は保育園で何して遊んだのと聞くと「おっちゃんごっこ」と言う。少し前まではバレリーナごっこだったのに。何という落差。で、おっちゃんごっこって何するの?とお風呂で取材してみたところ、いろんなおっちゃんの生態を演じる一発芸のようなエチュード(即興寸劇)のようなものだとわかった。

すでにキャラクターの確立したいろんな名前のおっちゃんがいて、それぞれいかにもおっちゃんらしい特長を持っている。以下、たまの言葉=たま語とともにおっちゃん一覧。

すいどうおっちゃん 「てをパンパンたたいて、めにあてるの」。水を飛ばす傍迷惑キャラらしい。

ありんこおっちゃん 「ありんこをひろうの」。地味なキャラだと思っていたら、「そして、ばべるの」。拾ったありんこを食べる!そこまで極めなくてはおっちゃんになれません。

てんとうむしおっちゃん 「おでこにてんとうむしをのっけるの」。

かにおっちゃん 「かにとはしるの」。Vサイン×がに股で横走りする滑稽な姿は宴会芸のおっちゃんそのもの。

はみがきこおっちゃん 「おでこにみがきこをつけるの」。

おしりおっちゃん 「おしりさわるの」。おっちゃんの基本。

おめめおっちゃん 「おめめさわるの」。それは普通だと思ったら、「そのあとでおしりさわるの」。

まつげおっちゃん 「まつげおっちゃんはこうするの」と眉毛をゴシゴシ。そこは睫毛じゃなくて眉毛なんですけど…このボケがおっちゃんなのかしら。

せっけんおっちゃん 「せっけんをあしのしたにおいてあるくの」。滑って転んで笑いを取るのもおっちゃんの基本。

いずれもおっちゃんなる生き物を的確にとらえているのに驚く。ステテコはいて鼻毛の飛び出したオッサンが目に浮かぶ。

おっちゃんを演じるうちに、たまのふるまいや性格もおっちゃんっぽくなってきた。少女の顔して中身はおっちゃん。同い年の女の子を見ても、ここまで笑いを取りに行っている子はいないのだけど…。

4月9日収穫のたま語では、たまちゃんはどうしてパパとママのとこに来たの?というわたしの質問に「あのね、たてるかなとおもったけど、たてなくてね。それでおっぱいのんでね」と答え、お、これは生まれた頃の記憶か?と期待したところ、「それでおっぱいがわすれられなくてかいにいってね」とオッサンになっていた。で、いくらだったの?と重ねて聞くと、「20えん」と言われた。

3月27日には、ティッシュで鼻毛を作る姿を見て、オヤジみたいだねと突っ込んだところ、開き直って「おやじでーす。おやじむすめでーす」。

その辺りがおっちゃんの起源かなと思ったら、1月10日、たまにせがまれて、『おさるのジョージチョコレートこうじょうへいく』を大阪弁で読んであげていた。〈きいろいぼうしのおっちゃんは、すぐおきにいりのんみつけて、いうた。「ジョージ、おかねはろてくるから、ここでまっとき。めんどうおこしたらあかんで」〉。おっちゃんの歌を教えたのも、この頃だったかもしれない。


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04月28日(水)
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