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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ タマオッサンとタカオッサン(高尾山)へ
原稿を送ってひと息つく時間ができたので、たまを連れて遠出をすることに。どこがいいかなとダンナに相談したら高尾山はどう?と言う。前々から興味はあったのでサイトを見てみると、リフトやケーブルカーで上れて、さる園もあるらしい。そばで聞いていたたまが「たまちゃんはタマオッサン」。このところおっちゃんごっこに夢中で自称おっさんのたまのダジャレも決まったところで、高尾山行きが決まった。
新宿から47分とサイトにはあったので、家を出て一時間ちょっとで着けるかなと見ていたら、電車を乗り換え乗り換え、2時間近い旅になった。
初めてリフトに乗るたまは目をきらきら。落ちやしないかと大人はひやひやだけど、「たまちゃん、こわくないよー」と余裕。野草の花を愛でながら上へ上へ運ばれていくと、空気がひんやりしてくる。大人470円、子ども230円ながら上野動物園のモノレールの10倍ほどの乗りごたえがある。途中に写真撮影の人が待ち構えていて、上に着くと写真を見せられる。一枚600円也。迷ったけれど買わずに返す。あの写真があの後どうなるかと思うとフクザツではあるけれど……。それで買う人も多いのかもしれない。証拠を残したくない人も。脚本のネタになりそうだ。
さて、さほど期待していなかった、さる山と野草園(大人400円、子ども200円)。蓋を開けてみると、予想を裏切る掘り出し物。ガラス壁のすぐ向こうにさるがいる距離感の近さに、まず驚く。ガラス壁越しにさる山を見上げることができるのが画期的。屋上に出ると、通常の動物園のようにさる山を見下ろす形になるが、遊具がたくさん配置され、さるたちの自然な姿でのダイナミックな動きを見ることができる。
さらに随時飼育員の方がマイクを持って46匹いるさるたちを紹介するのだけど、これが実に面白い。ボスにぴったり寄り添うナンバー2のメスを筆頭に46位まで序列がくっきりついていて、下の者が目立った真似をすると後でお仕置きが待っていると言う。それぞれのキャラと事情を聞いた上でさる山を眺めると、権力争いと愛憎がうごめく劇場に見えてくる。動画にアテレコで台詞をしゃべらせて(ベイビートークのように)昼メロを演じさせてみたい、などと思ってしまった。
背中の毛が抜けて地肌が見えているのが、ボス。これは喧嘩の仲裁に入るたびに巻き込まれて毛をむしられるからで、「喧嘩の仲裁がボスの仕事。それを怠ったらボスの資格はない」と飼育員さん。自ら喧嘩に明け暮れている人間界の権力者は……と考えさせられる。
拍手をされるとジャンプするタイゾウ君に大人も子どもも大受け。もう一匹、ジャンプするさるが飼育員のそばに来たので、もう一度拍手をと促されて客が拍手をすると、そのさるは動かず、飼育員の後ろでタイゾウ君がまた飛んだのには大笑いした。
ニホンザルは座って寝るので、安定感を良くするためのタコがおしりについている(その名もシリダコ。家具の底についている滑り止めのおうな感じだろうか)などという蘊蓄も勉強になった。
木板の道を歩く野草園も素晴らしく、満喫してケーブルカーでふもとへ。料金はリフトと同じだけど、子ども料金は6歳から。乗り場近くで売っていた「天狗焼き」という黒豆の天狗顔回転焼きが目を見張るおいしさ。天狗のまわりの皮のぱりっとしたところをお皿に入れてサービスで出してくれているので、それもひとつもらう。
高尾山は蕎麦とじねんじょが名物らしく、どの店もメニューに出している。そばが食べられないわたしは残念。店構えに惹かれて高橋屋という店で小盛りの鴨ネギ丼と天ぷら丼を。この二つもあちこちのお店にメニューあり。酒まんじゅう、高尾まんじゅう、おせんべい…と買い食いも楽しく、玉こんにゃくをお土産に買い求めておでんにしたら、これまたおいしかった。
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04月24日(土)
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