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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 子守話108「たまちゃんとママとリオくんいっぱいのおはなし」
娘のたまを寝かしつけるときに語り聞かせる子守話は、いっときたまの興味が失せて休みがちになり、語りたがりやの母としては淋しい思いをしていた。このまま子守話も卒業かなとも思ったのだけど、このところ絵本をよく読むようになると、また「おはなしつくって」とせがんでくれるようになった。そのリクエストも言葉の習得とともに高度になっている。

「たまちゃんいっぱいのおはなし」「パパいっぱいのおはなし」「ママいっぱいのおはなし」はたまのお気に入りのシリーズ。それを合体させて「たまちゃんとママとリオくんいっぱいのおはなしをして」と言う。リオくんは保育園で同じクラスの男の子で、帰る時間がだいたい同じで家も誓うので、一緒に帰ることが多い。手をつないで歩きながら「たまちゃんだいすきー」「リオくんだいすきー」と高らかに言いあっているので、初めてのボーイフレンドと言ってもいいかもしれない。

リオくんいっぱいということは、もれなくリオくんのママもいっぱいとなり、4人が増殖する話を考えることになった。「うーん、難しいなあ」と渋ると「かんがえてよ!」と手厳しい。「それを考えるのがあんたの仕事だろ」とすごむプロデューサーのよう。

そういうわけで、眠気をこらえつつ、新作をこしらえることになった。最終的にはたまちゃん、ママ、リオくん、リオくんママが5人ずつとなり、総勢20名の大所帯に。

子守話108「たまちゃんとママとリオくんいっぱいのおはなし」

ママが たまちゃんを ほいくえんへ おむかえにいくと
げんかんに リオくんと リオくんママと たまちゃんがいました。

4にんで いっしょに かえろうとすると
せんせいが「ホールに たまちゃんが いますよ」と いったので ママは びっくり。
「あれえ? たまちゃんが ふたり いるの?」
そこに もうひとり ママが やってきて
ホールに いる たまちゃんを おむかえに いきました。
「あれれ ママも ふたり?」

すると こんどは 2かいから
リオくんと リオくんママが おりてきました。

なんと たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママが
ふたりずつ ぜんぶで 8にんに なりました。

ふたりずつなんて なんだか へんだねと いいながら
8にんとも かえるほうこうが おなじなので いっしょに かえることになりました。

「ちょっと おにくやさんに よります」と ママが いうと
もうひとりの ママが 「わたしも」と いい
ふたりの リオくんママが 「わたしたちも」と いいました。
そこで 8にんで おにくやさんに はいると なんと そこには
たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママが いました。
「あらまあ」と 3にんの ママと 3にんの リオくんママは 
おおやすうりの おにくを みたときよりも びっくりしました。

これで たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママは 
3にんずつ ぜんぶで 12にんに なりました。

こんどは 「ちょっと やおやさんに よります」と リオくんママが いいました。
あとふたりの リオくんママと 3にんの たまちゃんママが
「わたしたちの」と いったので みんなで ぞろぞろと むかいました。

なんと やおやさんにも たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママが いて
3にんの たまちゃんと 3にんの ママと
3にんの リオくんと 3にんの リオくんママを みると
めを プチトマトみたいに まるくしました。

これで たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママが
4にんずつ ぜんぶで 16にんに なりました。

「せっかくなので うちに よりませんか」と ママが いい
ほかの ママたちが 「ぜひ」と いったので
16にんで ぞろぞろと たまちゃんと ママの おうちへ むかいました。

すると なんと おうちの なかで
たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママが おちゃを のんでいました。

これで たまちゃんと ママと リオくんと リオくんママが
5にんずつ ぜんぶで 20にんです。


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02月27日(土)
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