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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 「クリスマスの贈りもの」の反響と子守話

先日の「初めてのお弁当」が好評だったのに気を良くして、二度目のお弁当をこしらえ、一家で近所の植物園へ。炊飯器でごはんを炊くのと同時にふかしたさつまいも、じゃがいもとブロッコリーをアンチョビオイルで和えたサラダが加わり、あいかわらず手抜きながらも前回(写真左)より彩り華やかに。今日は風が強く、冷えこみもきつく、ピクニック日和とはほど遠い空模様。震えながら食事して、さっさと退散した。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの期間限定サイト「Limited Christmas(リミテッド・クリスマス」(2010/1/17追記:2010/1/6サイト終了にともない、縦書き文庫に引っ越して再公開)用に書き下ろした初めての短編小説4編「クリスマスの贈りもの」(>>>10月31日の日記)が公開されて、5日目。ちらほら感想が舞い込み始めたが、おおむね好評で、胸を撫で下ろしている。脚本と違って小説は、役者の演技や監督の演出が加わらず、書いたそのままが世間にさらされるところが面白くもあり、怖くもあり。

単行本の予定は今のところないけれど、一作目の「サンタさんにお願い」を掲載した小冊子を作成し、プレスや地元幼稚園向けに配るとのこと。その見本誌が届いた。表紙は大野舞さん。一時期同じ会社の、背中合わせの席にいた。今はフリーのイラストレーターとして活躍されていて、冊子上で再会。

「クリスマスの贈りもの」にちなんで、96話目の子守話は、クリスマスのお話。だいぶペースが落ちてしまったけれど、年初に掲げた「今年中に100話突破」の目標は達成できそう。

子守話96「まほうつかいたまちゃん クリスマスのまき」

クリスマスが ちかづいた あるひのことです。
まほうつかいのたまごのたまちゃんに
まほうを おしえている まじょが いいました。
「どれだけ まほうが じょうずになったか ちからだめしを しよう。
 サンタクロースの プレゼントを まほうを つかって
 よこどりしておいで」

「よこどりして どうするの?」と たまちゃんが きくと
「きまってるだろ。あたしが こどもたちに くばるんだよ。
 そうすれば こどもたちは まじょが だいすきになる」と
まじょは いいました。
かおも こえも こわい まじょですが
じつは とても さびしがりやなのです。

「だったら まほうで プレゼントを つくればいいのに」と
たまちゃんが いうと
「こまごました プレゼントを いちいち こしらえて
 トナカイや そりを よういしてたら
 クリスマスに まにあわないだろ」
まじょは さびしがりやなうえに めんどくさがりやなのでした。

「ぶじ サンタさんの プレゼントを よこどりできたら
 とっておきの まほうを おしえてあげよう。
 それが あたしからの クリスマスプレゼントだよ」
まじょが そういったので たまちゃんは ちからだめしを
してみることに しました。

さあ はたして うまくいくでしょうか。

さいしょに たまちゃんが つかったのは そらとぶ まほうでした。
トナカイが ひっぱっている サンタさんの そりに
そうっと おりるはずが どすんと しりもち。
「おや?」と サンタさんが ふりかえりましたが
やまづみの プレゼントが じゃまになって 
たまちゃんの すがたは みえませんでした。

つぎに たまちゃんが つかったのは 
サンタさんを ねむらせる まほうでした。
「ねむくなあれ ねむくなあれ」
ところが サンタさんの からだは おおきすぎて
なかなか まほうが ききません。

かわりに トナカイが こっくりこっくり いねむりをはじめて
そりが そらを すべりだいみたいに すべりおちていきます。
「どう! どう!」と サンタさんが ちゅういすると

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11月03日(火)
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