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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 『ぼくとママの黄色い自転車』浴衣舞台挨拶つき試写会
新宿明治安田生命ホールにて、『ぼくとママの黄色い自転車』舞台挨拶つき試写会。場所は「新宿駅前」だと頭に入っていたはずなのに、無意識のうちに新宿三丁目で下り、バルト9へ向かっていた。完成披露試写会も先日のキャリアマム限定試写会もここだったし、「バルト9にて初日舞台挨拶!」と家を出る直線に書き込んだりしていたものだから、体と頭に刷り込まれてしまったらしい。一階のエレベーターホールにごった返す人たちを見て、「この人たち、みんな、ぼくママ試写に来てくれた人なのかな」とほくほくした瞬間、「ちゃうやん!」と脳内信号が警告を発し、あわてて外に飛び出した。
その時点で13時24分。走っても13時半開演に間に合わない!とタクシーをつかまえると、運転手さんが目指したのは、西新宿の裾が広がったビル。「安田生命って、あそこですよね?」「違います! 安田生命ホールです!」。しかも、あのビル、安田生命じゃなくて、安田火災(現「損保ジャパン」)の本社ビルではないか! これでは安田生命ホールを知らなくても無理はないかもしれない。
タクシーを降り、息せき切って走り込むと、お客さんが続々と入っている最中で、のんびりした雰囲気。13時半開演ではなく開場だった。勘違いが重なったおかげで、舞台挨拶には十分間に合った。開演30分前で、客席にはすでに半分以上埋まっていて、出足は好調。
ロビーに飾られた黄色い自転車を撮影したり、プロデューサーに挨拶したり。昨日の夜の九段下での試写会も盛況で、とてもいい雰囲気だったそう。アンケートを読ませていただいたが、あたたかい言葉で綴られたものが多く、ほっとする。とくに子どもたちからの反応が良く、大志に共感して観てくれたのだなあとうれしくなった。母国語の関西弁でノリノリで書いた明石の女の子の場面が人気で、これもうれしい。
開演時間となり、会場はほぼ満席に。最後列の後ろに立って舞台挨拶を見る。司会の八雲ふみねさんが浴衣姿で登場。「小学生のお友だち、入口で配ったうちわを振ってください」の声に、会場の半数近くの客席で、うちわが揺れた。
うちわの歓迎に迎えられ、武井証くん(&犬のアン)、阿部サダヲさん、鈴木京香さんの沖田家一家三人が浴衣姿で登壇。浴衣のポイントとともに来場の皆さんにご挨拶。証君はタイトルにちなんだ自転車柄。白い浴衣の阿部さんは「僕は設計士の役なんで、製図しやすい感じで」。京香さんは浴衣にあしらわれた花を「母が育てていた花で」と紹介。クレマチスとおっしゃっていたような。
夏休みの思い出や、「この夏にしたいこと」といった八雲さんの質問の切り口が新鮮で、初めて聞く話が多く、充実した舞台挨拶だった。阿部さんが子どもの頃に空き地に基地を作っていた話が面白い。誰にも内緒のはずだったのに、親はお見通しで、こっそり持ち出して基地の備品にしていた目覚まし時計がいつの間にか家に戻っていたという。証君は小柄な体を活かして、かくれんぼが得意。阿部さんが「自転車がないので、欲しい。風を切って走ると気持ち良さそう」と話すと、京香さんは自分が飼っている犬を乗せてあげたいと話し、「元気がいいほうをカゴに乗せて……」と言いかけてから、「弱っているおばあちゃん犬をかごに乗せて、元気なほうを走らせるといいかもしれませんね」。京香さんのしっとりと落ち着いた声と話し方には、安らぎをかきたてるものがあり、声に母性が宿っている。子どもと離れて暮らすことを選択する母という難しい役どころについて、その苦渋よりも子どもへの愛情を感じさせることを大切にされたという。
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08月12日(水)
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