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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 信号の「赤」の位置はどこ?
昨日の保育園の帰り、たまが突然「きをつけ」のポーズを取った。「どうしたの?」と聞くと、「あれ」と指差した先には、縦型の赤信号。赤い灯りの中に、「止まれ」ポーズの人型があった。やがて信号が青になると、「歩け」ポーズの人型を真似て、たまは腕を直角に曲げ、元気よく横断歩道へ一歩を踏み出した。
その数日前、保育園への登園のときに、「あかは うえだね」とたまが言って指差したのも、縦型の赤信号だった。赤と青、どっちが上かなんて、立ち止まって考えたこともなかった(いや、子どもの頃は考えたのだろうか)けれど、たまは何か大きな発見をしたように、しみじみと「うえだね」と信号を見上げるのだった。縦型信号機で上ならば、横型では赤は左だろうと思って見てみると、横型では左から「青」「黄」「赤」の順番。
信号に限らず、2歳児の視点で世の中を眺めてみると、気づかされることは多い。「しゃぼんだまの おはなし して」とせがまれ、「しゃぼん玉がどうなるお話?」と詳しく聞くと、「たまちゃんが しゃぼんだまで そらとぶ おはなし」と言われ、子どもの頭のやわらかさに驚いた。コピーライター時代に東京ディズニーランドの広告を作っていた頃、「夢のあるビジュアル」を大のオトナたちがうんうん唸り、しゃぼん玉の中にミッキーたちキャラクターが入っている案を捻り出したりしたものだけど、子どもの発想力は、こともなげに、ひらりと、そこまでジャンプしてしまう。
そういうわけで、今日の子守話は、しゃぼん玉で空飛ぶお話。
子守話66 しゃぼんだまの じゅうたん
こうえんで たまちゃんは おともだちのみんなと
しゃぼんだまあそびをしました。
「おおきな おおきな しゃぼんだまをつくろう。
いちばん おおきな しゃぼんだまをつくろう。
たまちゃんより おおきな しゃぼんだまをつくろう」
はりきった たまちゃんがつくった しゃぼんだまは
たまちゃんが りょうてを ひろげても
かかえきれないほど おおきくなりました。
「わあ すごい」
たまちゃんが しゃぼんだまを のぞきこんだ そのとき
つるんと たまちゃんの からだが しゃぼんだまの かべを とおりぬけて
たまちゃんは しゃぼんだまの なかに すっぽり はいってしまいました。
たまちゃんを つつみこんだ しゃぼんだまは
かぜにふかれて そらへ そらへと のぼっていきます。
さいしょは こわがっていた たまちゃんも
だんだん たのしくなってきました。
しゃぼんだまあそびを している おともだちが ちいさくみえます。
みんな そらとぶ たまちゃんを うらやましがっているのでしょう。
「こんにちは たまちゃん」
しゃぼんだまの そとから ことりさんが はなしかけてきました。
「ねえ わたしも しゃぼんだまの なかに いれてくれないかしら。
じぶんで はねを うごかして とぶのは つかれてしまったの。
しゃぼんだまに のっけてもらえたら らくちんだわ」
たまちゃんが どうしようかなと まよっているあいだに
ことりさんは とがった くちばしで
しゃぼんだまの かべを つつきました。
そのとたん パチンと しゃぼんだまが はじけて
たまちゃんは じめんめがけて まっさかさま。
たまちゃんを みあげていた おともだちは びっくり。
「みんな たまちゃんに むかって しゃぼんだまを ふくんだ!」
おともだちが いっせいに しゃぼんだまを ふきました。
いくつもの しゃぼんだまが くうちゅうで くっついて
おおきな しゃぼんだまの じゅうたんが できあがったそのとき……
すとん!と たまちゃんは じゅうたんの うえに ちゃくちしました。
「いいな いいな」「わたしも のせて」「ぼくも ぼくも」
みんな おおさわぎで おしあいへしあい。
「みんなも こっちにおいでよ」
たまちゃんは てをのばして おともだちを ひとりひとり
しゃぼんだまの じゅうたんに ひっぱりあげました。
そんなに たくさん のっかって だいじょうぶ?
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05月14日(木)
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