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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 言葉遊び絵本「あいうえおパラダイス」にぶっ飛んだ
先日日記で紹介した(>>>2009年04月20日(月) 日本°語で言葉°遊ぴ)言葉遊び絵本の「あいうえおパラダイス」シリーズ。日本語50音の行ごとに一冊出ていて、納められた5編は、それぞれの行の文字(「あ」行なら「あ」から「お」まで)がつく言葉だけでお話を作っているというもの。どんな内容なのか興味をそそられて、早速、書評で取り上げられていた最新刊の『らったらったらくだのらっぱ 』とあわせて、『なぎさのなみのりチャンピオン 』『あるひあひるがあるいていると』の3冊を手に取った。
読んでびっくり。最初は「あ、ほんとに〈あ〉がつく言葉だけでできている」と確認しながらページをめくるのだけど、そのうち話の面白さに引き込まれて、ルールを忘れてしまう。つまりそれほど無理がなく自由だってこと。「あ」行から「な」行、「ら」行へと行を追うごとに言葉遊びの自由度も進化している印象があり、作者の二宮由紀子さんが書き進めるうちに、「こういう手もあり!」とどんどん発見、発明し、言葉のサーカスの離れワザを軽々と決めるテクニックを磨いていったさまが想像できる。
2歳児娘のたまに読み聞かせるにはまだ早いかと思ったら、思いのほか、たまは食いついた。いちばんのお気に入りは目次のページ。タイトルに添えた小さな挿絵を指差し、読んでほしいお話を選ぶ瞬間が楽しいらしい。驚いたことに、一度見た目次の内容をちゃんと覚えていて、次に読むときに、表紙を開く前に「イカのおはなし」「ネコのおはなし」などと言う。3冊のうち、どの本にその話が入っているかも心得ている。文字が読めない分、挿絵だけを見て瞬時に記憶したのだろうか。
目次に並んだタイトルを見るだけでも、言葉選び、言葉遊びのセンスがうかがえる。各巻でイラストの画家が変わるのも面白い。
あるひ あひるが あるいていると
いつも いっしょの イカと イルカ
うれしくなった ウシ
えびと えんどうまめと えんとつと
おきゃくさまは おおかみさん
『あるひあひるがあるいていると』のイラストは高畠純さん。
なぎさの なみのりチャンピオン
にんじんと にくだんご
ぬすまれた ヌーちゃん
ねこは ねずみを ねらうもの?
のどかな のはら
『なぎさのなみのりチャンピオン 』のイラストは 石井聖岳さん。
らった らった らくだの らっぱ
りんごの リキュールボンボン
るりはこべと ルナール警部
れんあいは レンジ皿で
ろくでもない ろくにんの ろうじん
『らったらったらくだのらっぱ 』のイラストは佐々木マキさん。
わたしのイチオシは、「ろくでもない6人の老人」。老人力ありあまるじいちゃん6人組がローラースケートしたり、牢獄に入ったり、炉端焼き屋で老人割引を迫ったり、ロールプレイングゲームをして「ろくすっぽ ロマンスなしか」とぼやいたり。言葉のリズムもいいので、大声で朗読していると、実に爽快。たまは「らったらった」のリズムを気に入り、口ずさんでいる。
「れんあいはレンジ皿で」は、冷凍ハンバーグとレモンクリームパイがレジカウンターで恋愛するが、冷凍ハンバーグは 冷凍庫へ レモンクリームパイは 冷蔵庫へ」という悲劇の恋。文字しばりというルールがあるからこそ生まれた言葉のマリアージュなのだろう。コピーライター時代の上司が「リングの中で暴れろ」(つまり、制約の中でのびのびと遊べ)と言っていたのを思い出す。
あいうえおパラダイスをお手本に、今日の子守話は、「あ」がつく言葉のお話に再挑戦。
子守話65 あわてんぼママと あばれんぼタマ
あわてんぼママが あばれんぼタマの あたまを あらいます。
アイラブユーシャンプーの あぶくを あわだて
あいじょうこめて あらいます。
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05月05日(火)
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