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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 2歳児の言いまつがえ
娘のたまと二人で晩ごはんを食べていたら、「パパのブラブラは?」とたまが言い出した。パパのブラブラとは何ぞや?と思考回路を高速回転させていると、「パパ、おそとでばべてくるの?」と言う。ブラブラはおかずの天ぷらのことで、「パパの分は取っておかなくていいのか」と心配しているのだった。「天ぷら」と一度聞いた音を「ブラブラ」と記憶したと思われる。

外国語や聞き慣れない専門用語などで、大人もこの手の「思い違いゆえの言いまつがえ(言い間違い)」をよくやらかす。コピーライター時代、「V6」を「G7」、「つんく」を「つっくん」、得意先の「たかの友梨」を「かたせ梨乃」と取り違える上司たちの迷言に笑いつつ、「わかるわかる」とうなずいたものだけど、子どもの言い間違いには、大人とはまた違う無邪気な素朴さがあり、それゆえ微笑ましかったり、逆にドキッとさせられたりする。

「大根おろし」を「だいこんころし」、魚の骨を「たね」と呼ぶ初歩的な取り違えは子どもならではで、「シートベルト」がうまく言えなくて「シールベット」になってしまうのもご愛嬌。だけど、洗面器をかぶってエレベーターガールの真似をして、「5かい じぶんうりばです」と言われて、「ズボンうりば」の間違いだと後でわかっても、「自分売り場」という言葉に哲学を感じたりしてしまう。そういえば、大根をすりおろす行為だって「だいこんころし」と言えなくはないし、「ほね」と「たね」だって似ていると気づかされる。

言い間違えとは違うけれど、最近娘が口にした言葉で印象深かったのが、「アメリカ」について語った言葉。「アメリカってわかる?」と知らないことを前提で聞いたところ、「しってるよ。とおいの」と的確な答えが返ってきた。自分が食べているコロッケを取られたくなくて、「パパとママは ごはんたべてな」と別なものをすすめたり、こんな言い方、どこで覚えたんだろうと驚くことを口にする。そのくせ、「たべる」はいつまで経っても「ばべる」で、「すべりだい」は「すれべだい」で、どんな大きさの鳥を見ても「ことり」で、きゅうりまでも「ことり」になっている。

今日の子守話は、ゾウさんが飛ぶ話。最近のいちばんのお気に入りが「とべないちょうちょ」の話で、次が「きりんさんそらとびたい」の話。今日はゾウを飛ばせたいと言うので、「子守話47 ゾウさんパオーン」をアレンジした。

子守話49 そらをとんだゾウ

タマゾウは ふきげんでした。
たんじょうびだというのに パパとママはようじででかけてしまい
もりのひろばで ひとりぼっちであそんでいたのです。
そこに タマゾウのおともだちのゾウたちが
パパやママといっしょに やってきました。
みんな はなにふうせんをくくりつけて うれしそうです。
ふうせんのせいで はながちょっぴりもちあがって
うれしそうなかおにみえるのでした。

タマゾウはますます おもしろくなくて いじけていました。すると 
「タマゾウ おたんじょうびおめでとう」
1ぴきめのおともだちゾウが そういって
じぶんのはなにくくりつけたふうせんを タマゾウのはなにくくりつけました。
タマゾウのはなが ちょっぴりもちあがりました。
さらに3びきのおともだちのふうせんがくわわって
タマゾウのはなは すっかりさかだちしました。

こんどはタマゾウのみぎのまえあしに 4ひきのおともだちゾウが
ふうせんをくくりつけると みぎのまえあしが ふわりとうきあがりました。
つづいてひだりのまえあしも 4つのふうせんで ふわりとうきあがりました。
2ほんのうしろあしでたちあがったタマゾウは 
おとなのゾウよりもおおきくみえました。

さあ いよいよ うしろあしです。
4つのふうせんをくくりつけると みぎのうしろあしが ふわり。
ひだりのうしろあしも 4つのふうんせんで ふわり。 
「うわあ とんだ」
ひろばにあつまったゾウたちが かんせいをあげました。
みんなのふうせんのちからで タマゾウのからだがそらをとんだのです。

まえあしとひだりあしをゆっくりとうごかしてみると
タマゾウのからだはもっとたかくとびあがりました。

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03月05日(木)
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