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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ ラジオ『疑問の館』と『アクアリウムの夜』再放送
月曜日、ひさしぶりにラジオを聴いた。NHKの『疑問の館』というクイズ番組。先週、上野動物園の帰りに近所に住むママ仲間のユキさんとホホちゃんのおうちを訪ねたら、「ちょうど上野動物園帰りの友人が来ているんです」と紹介された女性が、番組の制作に関わっている方だった。クイズに出題する動物ネタの資料を借りに動物園を訪ねていたのだという。「来週の月曜日に放送します」と聞いていたので、どんな問題が出るのだろう、と興味をそそられてラジオをつけてみた。
テレビでクイズ番組を見ることはよくあるけど、ラジオは新鮮。視覚ヒントがなく音のヒントだけを頼りに答えを探るというのは、余計な情報がない分、思考に集中できる気がする。回答者の声の調子から自信のほどがうかがえ、その表情までも想像できて、ラジオとクイズは相性がいいのだなあと思った。動物ネタの出題は、ある動物の鳴き声だった。「モォ〜モォ〜」。これ、何の動物でしょう。牛の鳴き声にとても近いのだが、答えはキリン。めったに鳴くことがないキリンの貴重な録音。声から動物を当てさせるのは、ラジオならでは。今年は、キリンが日本に来て百周年なのだという。ダンナ方のひいおばあちゃんが百才だけれど、おばあちゃんが生まれる前にはキリンは日本にいなかった、と考えると、新しい。馬と日本史の密接な歴史を思えば、相当新しい。国内での輸送は船に乗せて川を渡ったそうだが、首が長すぎて橋げたにつかえ、途中で陸上輸送に切り替えた、というエピソードが面白かった。今なら歩道橋につかえてしまうが、百年前には横断歩道もなかったに違いない。
子どもの頃、母は家事をしながらいつもラジオを聴いていた。落語を好んで聴き、文学講座を学び、株価や天気もラジオで確かめた。子育てをはじめた今、ラジオに耳を傾けながら子どもの世話や家のことに手を動かすのは、なかなかいいものだ、と気づく。とくに、洗濯物をたたみながら聴くのがいい。両手はふさがっているけれど頭は容量がある状態。そこに音が入ってくる。これからもときどき聴いてみよう、昔の母みたいに。そう思っていたら、折りよく2002年に書いた連続オーディオドラマ『アクアリウムの夜』が5月28日から再放送されるという知らせが舞い込んだ。2005年に次いで、二度目の再放送。書いているときは後ろを振り返るのも怖いほど、震えながら脚本を書いた青春ホラー。実体が見える化け物よりも、闇に潜んでいる気配のほうが怖い。恐怖を増幅させるのは、見えない部分を膨らませてしまう想像力なのだ、と冷や汗をかいてパソコンを打ちながら悟った。だからホラーもラジオと相性がいい。
05月09日(水)
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