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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ マタニティオレンジ91 歴史は繰り返す
同じ年に留学して一緒に研修を受けたショウコに二人目の男の子が生まれ、同期のミカコ、ナオコとともに赤ちゃんを見に行く。ミカコは三人の女の子のお母さんで、翻訳の仕事をしながら、最近は手作りの焼き菓子を近所の喫茶店に卸している。お土産に持ってきてくれたそのお菓子は、素朴でとてもやさしい味がした。ナオコは2才の男の子を連れ、沖縄の医学部で勉強中。会社を辞めて医学部を受ける、と聞いたときもびっくりしたけれど、子育てしながら卒業までやり遂げるバイタリティには頭が下がる。いいお医者さんになって欲しい。ショウコはわんぱく盛りの2才の男の子と新生児の子育てで手一杯のはずなのに、自宅出産の様子をフォトアルバムにまとめ、手書きコメントをびっしり書き込んでいる。結婚式の写真の整理もまだ手つかずなわたしは反省。出会った16才の頃も「アメリカ行くぞー!」という勢いで元気いっぱい、目きらきらな人たちだったけれど、20年余り経って、しわが増えて口角が下がっても、開拓精神あふれる生き方は変わらない。

出会ったときから二倍以上の年齢になって子連れで会っているというのは、なんとも不思議な感じ。子どもだった自分たちがいつの間にか大人になって、また子どもを抱いている。そのうち子どもが「留学したい」と言い出したりするのかもしれない。親の立場になってみると、一年も親元を離れて海外にやるなんて、心配が尽きない。「自分たちの親はよく行かせてくれたよね」などと話す。

帰り道、電車の中でぐずりだした娘のたまに、ナオコが歌を歌ってくれた。「かえるの歌が聞こえてくるよ」「ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのね」。ナオコの息子のマコト君も一緒に歌ってくれ、たまは機嫌を持ち直した。子どもの頃に親と歌った歌を、今度は子どもに歌い聞かせたり、子どもと歌ったりする。
03月12日(月)
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