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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 夢のお告げ!? 小さな鳥の物語
間もなく生後5か月になる娘のたまは、よく眠るようになったとはいえ、夜が明ける前には必ず目を覚ます。授乳をすると、すぐまた眠りに落ちてくれるけれど、そこからは眠りが浅くて、次は2時間ほどしか持たない。だから明け方のわたしは夢うつつの状態でいることが多く、そういうときの頭の中は、ぬか床をかき混ぜるようにゆっくりと攪拌されるのか、底のほうに沈んでいた記憶が不意に掘り起こされたりする。
「鳥の話、書いたことがあったな」と今朝思い出した。
ある企業のPRビデオの企画で書いたストーリー。一言ではくくれない多様な情報サービスを提供するその企業の「見えない価値」を「見えるカタチ」にするために、みんなの幸せを思って知恵を絞るけなげでちっぽけな鳥というキャラクターを考えた。個々のサービスを紹介しながらブランドイメージを築いていきましょうという提案だったが、コンペ(競合)で敗れてしまった。なかなか愛らしい鳥のキャラクターも開発したのだが、それも日の目を見なくて残念。
コピーライター時代から書き散らしているので、こんな風に埋もれてしまったストーリーはたくさんある。ありすぎて、わたしの記憶の中でさえ埋もれてしまっているほど。でも、どうして鳥の話を思い出したのだろう。何かの啓示か予兆だったりするのだろうか。鳥を飼いなさいとか、赤い羽根の募金をしなさいとか。あるいは、この鳥のように体は小さくても大きな志を持ちなさいという夢のお告げなのか。それとも単純に、こないだ鳥鍋をして、鳥、鳥とはしゃいだことが潜在意識をつついたのかもしれない。
こんな話だった。
(企画書用に書いた形なので、具体的なサービスを想起させる内容を盛り込んであり、実際は企業の名前やスローガンも入っている)
小さな鳥の物語
あるところに、小さな鳥がおりました。鳥はもっと立派になりたくて、知恵のある長老鳥に相談しました。
「人々を豊かに、幸せにしなさい。その幸せなキモチがあなたを大きくしてくれるでしょう」と長老鳥は言いました。
でも、どうやって?
鳥はちっぽけで、力もありません。お金も持っていません。
「空を自由に飛べる翼があるではないか。それに、もうひとつ、心の中にも翼がある」
長老は力強く言いました。翼をはためかせ、想像力をはたらかせなさい、と。どんなちっぽけな鳥でも、夢見る力は無限大です。
さっそく、鳥は考えました。
どんなとき、人々は豊かな、幸せな気持ちになるのだろう。
探し物が見つかったとき。欲しかった物が手に入ったとき。あきらめていたことが実現したとき。困っていた問題が解決したとき。もちろん、自分のしたことを誰かが喜んでくれたとき。
鳥は翼をはためかせ、自分が役に立てそうな人を探しに行くことにしました。
コウノトリに魅せられた会社員がいました。コウノトリの住む町に移り住む夢がありましたが、毎日の忙しさで夢を忘れかけていました。
別な場所では、結婚を間近に控えた恋人が喧嘩していました。二人は遠く離れて住んでいて、すれ違いばかり。果たして無事結婚できるのでしょうか。
ベビーベッドに赤ちゃんを寝かしつけているお母さんは、ため息をついています。ついこの間まで大きな会社で働いていた自分が懐かしいようです。
この人たちを豊かに、幸せにするにはどうすればいいのでしょう。
鳥は仲間の鳥たちに相談しました。みんなの想像力が集まると、面白い思いつきが次々と飛び出しました。
鳥はその思いつきを自分の羽に託して、空に放ちました。羽を風に乗せるとき、小さな声で何やら唱えました。自分に素直に、思いのままに、飛んでいけますようにというおまじないの言葉です。鳥たちには当たり前のことですが、人間は大人になるにつれこの気持ちを忘れてしまうようです。
おや、誰かが羽を手に取りました。
コウノトリに魅せられた会社員です。羽を手にした瞬間、けわしかった表情がやさしくなりました。忙しくて考えるゆとりのなかったコウノトリの里のことを思い出したようです。
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01月17日(水)
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