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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 丸善おはなし会→就職課取材→シナリオ講座修了式
「『子ぎつねヘレン』映画記念 映画絵本版『子ぎつねヘレンの10のおくりもの』 著者 いまいまさこさん えほんおはなし会」という長いタイトルのイベントに出演するため、丸善丸の内店へ。はじめて足を踏み入れた丸の内オアゾの5階The Orchid(ジ・オーキッド)で打ち合わせを兼ねて文芸社さんとお昼。絵本は映画公開後ぐんぐん売り上げを伸ばしているとか……という気分のいい会話をしながら、おいしくいただく。東京駅の線路を見下ろせるトレインビューの個室も、なかなか素敵。

今日は先日取材してくれた学生新聞キャンパス・スコープの記者さんのインターン先である株式会社 就職課の取材が入っていて、就職課で発行している学生新聞と、就職課とゲオ@チャンネルのコラボでの映像配信コンテンツ用のインタビューを受けることに。七人の学生さんと合流し、控え室で取材の打ち合わせ……のつもりがいつの間にかいつもの調子でしゃべりだしてしまい、学生記者さんたちは熱心にペンを走らせる。

予定時間の2時を少し過ぎ、「いまいまさこさんの登場です」と呼ばれて児童書コーナーに姿を現すと、おはなし会用に敷いたカーペットには、かわいい子どもたちとそのお父さんお母さんたちの姿が。パパママを後ろに控えさせて、かぶりつきスペースを陣取った子どもたちは早くも目がキラキラ。「みなさん、映画『子ぎつねヘレン』知ってますか?」と聞くと、「知ってるー!」「知らなーい!」と元気な返事。こんな感じでやっていけばいいんだ、とつかめて、アドリブを入れながら読んでいくことに。絵本を引き伸ばしたものを、文芸社広報担当の朽木嬢が話の進行に合わせて紙芝居風に見せていく。焼きたてのパンが登場するシーンで、「ヘレンパンはどれかな」と投げかけると、一斉にいくつもの小さな指が絵を指し示した。クマのぬいぐるみがボロボロに引き裂かれるシーンで「どうしてこんな風になっちゃったのかな」と問いかけると、「ヘレンの頭の中には悪魔が住んでいて、そいつが暴れて苦しかったから!」と利発な女の子。昨日観たばかりの映画の内容を見事に記憶。春から小学生という彼女は、質問コーナーで「謎の森の老婆」の正体について聞いてくれた。

質問コーナーでは「ヘレン・ケラーから子ぎつねをヘレンと名づけたとありますが、映画の中でその説明はありますか」という質問も。「ヘレン・ケラーを知ってますか?」と問いかけると、子どもたちの手が誇らしげに挙がる。おはなし会に来るような子は本をたくさん読んでいて、物知りなのかも。映画を観てくれたという丸善の担当者の女性は「原作を映画化するにあたり、何に気をつけましたか」と質問。「死んでしまって悲しい話より、出会えてうれしい話にしたかった。短いけれど精一杯生きた命がのこしてくれたおくりものを受け止めてもらえるように」と答えた。

サイン会は閑古鳥の心配をよそに、ペンがかすれるほどサインさせてもらう。はじめて会う人たちが「映画観ました」「これから観ます」と言って買い求めてくださり、感激。昭和ひと桁世代の余語先生とT氏をはじめ、知人、友人も駆けつけてくれ、懐かしい人との再会も。10年前に同じ忘年会に出ていたわたしを覚えていてくれた大学の後輩嬢。5年ぶりに会う他大学の応援団チア仲間は会社の後輩と、高校の同級生は二人のお子様と、留学時代の同期はヨチヨチ歩きの男の子とダンナさんと。


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03月25日(土)
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