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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ DVDプレーヤーがやってきた
干物パーティーに来た映画と鉄道を愛するご近所仲間のT氏が「おみやげです」と提げてきたのはDVDプレーヤー。いまだにパソコンでDVD鑑賞しているのを知って「あると便利ですよ」と買ってきてくれた。「ポイントで買えるぐらい安かったんで」とのことだが恐縮。「これからは私のおすすめ作品をジャンジャン見てくださいね」と必須科目の成瀬巳喜男監督の『流れる』と『インファナル・アフェア』のオマケつき。『流れる』から入門して成瀬作品を、インファナルは1を皮切りに2、3を見なさいということらしい。「でも成瀬はフィルムセンターで観るのがいいですよ」と500円玉を握らせるT氏は、わたしに映画道を教えこむあしながおじさん化している。
おみやげの二本を後回しにし(ごめんなさいT氏)、まずは借りていた四本を見る。こけら落としならぬ発泡スチロール落としにふさわしいラインナップ。
イギリスの片田舎のおかたい婦人会の淑女たち(といってもいいお年)が資金集めのためにヌードカレンダーのモデルになったという実話を基にした『カレンダー・ガールズ』は、あまりに気に入って3回続けて鑑賞。大胆な脚色かと思ったら、かなり事実に基づいていることにもびっくり。(くわしくは作品サイトへ)。メイキングを観てから本編を観ると、いっそう味わい深い。
『花とアリス』も、とてもよかった。光の使い方がとても印象的。高校時代のあのきらきらした感じ、ひりひりした感じがよく出ていた。鈴木杏×蒼井優の組み合わせ、よいですね。『子ぎつねへレン』で写真家でもある獣医・矢島を演じる大沢たかおさん、フォトグラファー役で出演。
『東京原発』は、月刊シナリオに掲載されていた脚本がすごく面白かった。笑って怖くなって原子力発電所の勉強にもなる。さらに通をめざすなら、作品サイトとノベライズ本も。『パコダテ人』でまもる父ちゃん役の徳井優さん、東京都知事の側近・及川特別秘書役で登場。
『男と女』(1966)はダバダバダーのテーマでおなじみのカンヌ映画祭パルムドール受賞作。連れ合いを亡くした男と女が恋に落ちる。それだけのことなんだけど、とてもチャーミング。レストランに入った二人が「何か注文しないとまずいよ」となり、ギャルソンを呼び止めた男が注文するのは「Chambre(部屋)」。未亡人役のアヌーク・エーメの美しさにも、ため息。メイキングでのクロード・ルルーシュ監督のコメントも面白い。「お金がなくて屋外はカラー。屋内は白黒」「カメラの音がうるさいのでなるべく役者から遠ざけてロングで撮った」といった止むを得ない状況が、独特の味を醸す結果になったよう。
09月24日(土)
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