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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ ありがとうの映画『村の写真集』
■『山の郵便配達』の父子に重なる。一軒一軒訪ね歩いた先との小さなエピソードを積み重ね、父と子がぶつかりながらも心を通わせていく展開もまた、『山の郵便配達』を思い起こさせるが、この作品で印象的なのは「ありがとう」の言葉。頑固だが人情味のある研一は、写真を撮り終えるたびに「ありがとう」と頭を下げ、撮られた人たちも「ありがとう」となる。息子を戦争で亡くし、山の上で一人暮らしする山本のおばあちゃん(桜むつ子)は、手を合わせ、人やお天道様やあらゆるものに感謝を示す。その笑顔を見ているこちらもありがたい気持ちになる。そう、「ありがとう」という言葉がThank youより多謝よりありがたく聞こえるのは、この五文字の中に「こんなすばらしいことはなかなかない」という意味が込められているからではないか。でも、聞き慣れたありがとうの響きが流れてしまうのと同じように、日々のささやかな幸せをありがたく思うことも忘れがちになっている。たとえば、故郷がそこにあること。家族がそこにいること。歩けば見えてくるものがあること。淡々と、だけど、しみじみと忘れ物に気づかせてくれた映画に、ありがとう。この作品の撮影後、今年1月23日に83才で亡くなった桜むつ子さんの天真爛漫な笑顔にもありがとう。エンドロールに延々と百行近く映し出されるロケ地・徳島の皆さんの名前に、三木さんがパコダテ人で見せた「ありがとう」を思い出した。公開は、東京都写真美術館ホール(4月23日〜)、梅田OS劇場C.A.P(5月7日〜)、シネマスコーレ(陽春公開)、OS・シネフェニックス(5月7日〜)、広島宝塚(5月14日〜)、京都シネマ(6月)、高知東宝(初夏)、津大門シネマ・札幌シアターキノ・仙台フォーラム・新潟シネウインド(時期未定)。
04月19日(火)
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