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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 親子でこりゃ楽しい「漢字ドリル作文」
「ママのお話だよ」と、たま。「ママとは、ちがうせいかくだけどね」。
瞬時に主人公を選びつつ、ずらしてくるあたり、なかなか高度。
「わたしは幸い、元気だ」のカギカッコ使いに、「やられた」と思いました。
それからも漢字ドリル作文バトルは続き、漢字ドリル一冊分の例文を物語に変換。
ある程度長い例文のほうが作りやすく、単語レベルの10問だとお話があまり膨らまないことを実感。
でも、この10問から生まれたお話は、大ウケ。

この右ページにある10問から「太い柱の根元から熱い湯が出て二倍の数の人が訪れた。たまちゃんが学級新聞に書いたら賞をもらって国際空港からグリム童話の故郷ドイツへ旅行にでかけることに。あ、忘れ物!算数の宿題やってない」という物語を作った続き、という設定で。
ドイツへ行ったたまちゃんは、係の仕事をまかされました。
小さな箱のお世話係です。
「この箱の中には、何が入っているんですか?」
たまちゃんが聞くと
「あー、親指姫ですよ」
と言われました。
この国では親指姫は珍しくないようです。
たまちゃんは、親指姫に世界地図の説明をすることになりました。
「化石の発見について、詳しく教えてあげてください。とくに三葉虫」
と言われました。
この国では三葉虫が大事なようです。
たまちゃんは小さな箱をかかえて、歩道橋にのぼったり、
深い海や夏祭りに出かけたりしました。
「水を注いだらどうなるのかな」
そう思って、小さな箱に水を注ぐと、
親指姫はむくむくと大きくなって、人に化けました。
たまはこのお話が一番気に入ったらしく、「もう一度やって」とアンコール。
自分が主人公だからかもしれません。
このところ動画でお笑いを見たり、アプリでお絵描きしたり、という時間の過ごし方をすることが多かったのですが、予測不能の即興言葉遊びは、どんなソフトよりも面白い!
最強の遊び道具、日本語でもっと遊ぼうと思いました。
学校のテストには出なさそうな漢字ドリル作文。
脚本作りのワークショップには使えそう。
大人の頭の体操にもおすすめです。
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10月27日(火)
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