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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ プロデューサーの苦労と孤独
よかれと思ってやったことが裏目に出るというのは、辛い。ごめんなさい、でも今さらどうしようもないのでこの反省を次年度につなげますと胸の内でつぶやくしかなかった。

予定枚数に達しなかったら、申込方法を変えたせいかも……と責任を感じて縮こまっていた胃が、ほっとゆるんで、お酒がやわらかくしみこむ。

慣れないことをあたふたとやり、かけた労力の割には不手際が目立ち、それでも、結果は報われてよかった。本当に良かった。

こんなにドキドキハラハラしたり、その反動で万歳してしまうのって、いつ以来だろう。

仕事で、うれしいことはもちろんある。企画が通ったとき。あて書きしたキャストが出演を引き受けてくれたとき。生みの苦しみを経て、ようやく脱稿したとき。でも、緊張から解き放たれるような解放感を味わったのは、ほんとに久しぶりだ。

それは、普段は「責任」を誰かが負ってくれているからなのだ、と気づく。たいていは、プロデューサー。皺寄せも突き上げも予算や時間の制約も結果責任も他の人が負ってくれているから、ドキドキハラハラしつつも、全力を尽くしているつもりでも、どこか気楽でいられたのだ。

プロデューサーの苦労と孤独を幾分理解できた、気がする。
同じように、見えないところで熱い汗や冷や汗をかいている人の苦労と孤独も。
そういう人達が、どんなときに傷つき、どんなときにやりがいを感じるか、も。

父母の会の役員を絶対やりたくない人もいれば何度も引き受ける人もいて、そこは人それぞれだけど、やったからこそ得られるものはある。そのいちばん大きなものは「やった人の気持ちがわかる」ことじゃなかろうかという気がする。
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01月30日(水)
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