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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 「鉄」の皆さんとお座敷列車忘年会(鉄道用語修正版)
各地の廃線を訪ね歩く廃線鉄、中国大陸の鉄道に魅せられた中国鉄、呑み鐵さんは音鉄でもあり、撮り鉄の方は新聞社のカメラマンであるが鉄道を撮るのが本業のような口ぶりでミャンマーまで撮りに行ったりしている。さらに、鉄道写真だけで生計を立てている希有な鉄道カメラマン(T氏より贈呈された本の写真を撮られていた)や鉄道雑誌の編集者も。
この後、夜行で能登へ向かうという方は、福島から見参。一日何時間乗っても飽きないのだろうか。呑み鐵さんも同行し、翌日横浜に戻るのは保存会のSLを磨くためという。
呑み鐡さん達が向かったのは能登半島ではないです。彼らは金沢行きの「急行能登」に乗るのが目的でした。この「能登」、まだ正式発表はJRからなされておりませんが、来春3月での列車廃止がほぼ決定しております。ちょうどお座敷東金号乗車の日に一部報道されたばかりでした。彼らは来春廃止を知らずに乗る計画を立てておられましたが、たまたま報道がされた直後に乗車することとなったのです。正式発表が出るとお名残り乗車のお客さんが多数押し掛けることになり、廃止の日まで「賑やかな」状態になるのだと思います。
JRの社内啓蒙誌にエッセイ連載を始めたわたしは「自称書き鉄です」と名乗ってみたが、皆さんの鉄分の濃さに当てられ、クラクラ。鉄の世界はかくも深し。
T氏の「時刻表検定一級」などはミーハー鉄のわたしからすると鉄道への造詣の深さの表れに見えるが、鉄仲間たちは「ええっ、そんなの取ってるの?」と笑い、T氏も「すみません」と頭をかくのだった。検定するまでもなし、というレベルなのか。
濃厚な鉄集団の中でも異彩を放っていたのは、アメリカから来たジョンおじさん。「I'm confused . I bought a ticket to Narita」と成田空港まで行くつもりが連れて来られてまいったよ、のような口ぶりであったが、ジャパンレイルパス(海外からの旅行者専用の格安乗り放題パス。一同、「欲しい!」)で日本の鉄道を味わい尽くしている筋金入りの鉄。アメリカではトランスポーテーション(交通学?)を教えているという。バナナラベルのコレクターでもあり、アリシャンバナナのラベルを求めて埼玉県の川口まで行ってきたとか。ラベルを剥がした大量のバナナを差し入れしてくれた。その昔バナナ工場に勤めていたのがラベル収集のきっかけで「世界に2万5千種あるうち1万5千種は集めた」と言う。
「串駒」で何度か一緒に飲んだT氏の大学時代の友人で折り紙研究会出身のT2君はキャラ的には相当濃い人ではあるのだけど、鉄分含有量がかなり少ないため、今日は異彩度がかすみがち。折り紙の象を残し、埼玉に帰るため途中駅で下車した。
「ここどこ?」「名前からして成田の東?」という「成東」駅で下ろされ、普通列車で引き返す。「片道じゃなくて往復お座敷列車にすればいいのに。屋形船みたいに」「でも、座りっぱなしだと泥酔者続出じゃない?」。たしかに夜風がいい酔い覚ましに。お座敷ではないけれど、車内は貸し切り状態で、2次会会場に。以前T氏の紹介で会った女の子がタイから一時帰国中の小学校時代の幼なじみと参加していて、その二人と話が弾んだ。ほかにも、再会あり興味深い出会いありで話は尽きず、両国駅に着いてから5時間ほどしゃべり続けたことに。
お座敷列車忘年会。毎年恒例にしたいほど、楽しかった。
12月04日(金)
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