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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 小豆島5日目は香川県三木町の渡邊邸で妖怪三昧
「夜に来ると、いいですよお」と忠平さん。こんな部屋に泊まり込んだら、背筋が冷えそうだけど、それがまた絵描鬼・柳生忠平にとっては、筆に妖気を呼び込むチャンスなのかもしれない。以前、妖怪もののアニメを開発する仕事に半年ほど首を突っ込んだことがあり、妖怪についてけっこう勉強したが、この世と妖怪の世界はつながっていて、妖怪たちは自由に行き来しているのだという。それも文明の発達で、道がふさがれつつあるらしいが、ここならいくらでも通り道が開いていそうだ。
作品はちょっと怖いけど、妖怪をデザインしたTシャツを購入。男物なので、Sサイズでも大きい。そのうちレディースも作る予定とのこと。パフスリーブとか、ワンピースとか、かわいいラインに妖怪の組み合わせを希望。
その隣の間には、忠平さんデザインの革のバッグを展示。こんなの見たことない。面白い。
忠平さんの妖怪画の前にお供えされているのは、20日に小豆島で見た井口三四二さんのコレクションのひとつ。民俗資料館を案内してくださった柳生さんが、展示物を「妖怪のもと」と呼んだ理由がわかった。今は休眠していて宝のもちぐされとなっているコレクションをどのように展示したら人を引きつけられるだろう、と考えをめぐらせていたが、古い道具に新しい感性を吹き込む忠平さんの発想にヒントがあるように思った。
外に出る。お堂の中にも妖怪画、これ以上ふさわしい展示スペースがあろうか。鬼気迫る提灯は、昨日、会場の設営をしているときに見つけたのだとか。これが灯って絵を浮かび上がらせるところも見てみたかった。ちょうどお堂の後ろを電車が走る。琴平鉄道、通称「こと電」の白山(しろやま)駅から徒歩10分とのこと。東京のわが家の最寄り駅は白山(はくさん)で、いつも乗り換え案内を調べると、「白山(新潟)」「白山(香川)」という候補が出るのだが、香川の白山駅はこんなところにあったのか。
「妖怪のもと」×柳生忠平の競演は続く。やかんや鍋が妖怪になるのだから、鍵と錠前だって妖怪になる。自分で自分をかんじがらめに施錠しているのか。
これはセメントを平らに塗る道具だったっけ。近所で大工さんが仕事するのを惚れ惚れ眺めた思い出が蘇る。この妖怪も自分で自分を塗り固めているのか。


左は煙管(キセル)で右は分銅か。分銅妖怪も自分の重みで身動き取れなくなっている。
これは携帯筆らしい。筆ペンの祖先か。
代々受け継がれてきたこの屋敷を管理している小橋さんとお話ができた。「前はこういうものを背負わされて重荷で重荷で……でも今は、どうやって活かしていこうかと考えてたら楽しいですね。白州邸にも行って、じっくり見てきました」。快活で頭の回転のいい女性で、お話もキレがいいと思ったら、ラジオのパーソナリティもなさっているという。ダンナ様はテレビ局に務めていて、「ぼくママ」試写会などにも関わられていたとのことで、作品のことをよく知ってくれていた。
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09月22日(火)
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