ID:93827
脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
[786613hit]
■ 『韓流「女と男・愛のルール」』(朴チョンヒョン)
韓国の母の息子への溺愛ぶりは、身につまされて読んだ。韓国の男性と結婚した日本の女性は、家庭に干渉する姑の越権行為に辟易としてしまうらしい。溺愛度なら日本のわがダンナの母も負けておらず、「あなたはいいわねえ、毎日あの子に会えて」などと真顔で言われたりする。彼女にとっては息子は永遠の恋人で、嫁はライバル。口出しもしたいし、手出しもしたい。わたしの場合はダンナ母に「まいりました」と白旗を上げたうえで、いろいろと教えてもらったり助けてもらったりしている。息子への愛のお裾分けをいただくつもりでつきあうのが、嫁姑円満の秘訣かもしれない。
「秘密」の取り扱いの日韓の違いも面白かった。秘密を「言うな」と言われたらその約束を守ろうとする義理の日本人に対し、韓国人は言うべき相手との情を優先させる。隠すにせよ打ち明けるにせよ秘密のやりとりには感情の動きが伴うので、脚本を書く上で(ドラマを転がす上で)はとても大事な要素。でも、日韓では、そのタイミングや相手が変わってくる。女友達の秘密を黙っていた妻を夫がなじる(夫婦の絆のほうが親友の絆に勝るという判断)くせに、女友達が泊まりにきたときには、妻は夫とではなく女友達と寝るのが普通なのだというから一筋縄ではいかない。
脚本といえば、朴さんは日本のテレビドラマをかなり見ていて、日韓恋愛観の違いを見比べる材料にもしている。本文中にもいくつかのドラマが引き合いに出されているが、脚本家の名前を明記していたのは好評価。テレビのドラマ欄でも脚本家の名前が記される機会は少ないので、わたしが所属する日本シナリオ作家協会はクレジット表記に躍起になっているという事情とあわせて、朴さんにはお礼を伝えた。
「今井さんとダンナさんも登場していますよ」と朴さんに教えられていたので、どんな風に書かれているのかしらんと期待して探してみたら、「プロポーズのなかったカップル」として登場。韓国の男は愛の言葉を臆面もなく口にし、プロポーズにも気合いを入れて白黒つけるが、日本の男はプロポーズさえ出し惜しみする。その日本代表に抜擢されていた。ううむ。
するっと読めるけれど発見盛りだくさんな『韓流「女と男・愛のルール」』。興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。
他に大阪出身でコピーライターから脚本家に、という経歴がわたしと似ている友人の川上徹也さんから『仕事はストーリーで動かそう』が、わたしが脚本を書いたラジオドラマ『アクアリウムの夜』に出演された秋元紀子さんの友人、井上豊さんから5月刊行予定の『冒険リクタウミ』が届いている。近いうちにご紹介したいと思う。
04月06日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る