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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ インド三昧、のち、『ペガモ星人の襲来』
シモキタに移動して、夜はG-up企画・製作の第6弾『ペガモ星人の襲来』を駅前劇場で観る。脚本が後藤ひろひとさん、演出が関秀人さん、キャストには五反田団の後藤飛鳥さんや絶対王様の有川マコトさんや小椋あずきさんやあひるなんちゃらの黒岩三佳さんなど、これまで舞台を観て心惹かれた役者さんたちが名を連ね、おまけに「ラジオドラマ全盛期、アメリカの『火星人襲来』に触発されて製作したラジオドラマの効果音をめぐる物語」。NHK-FMで放送された今井雅子脚本のオーディオドラマ『昭和八十年のラヂオ少年』では、大正生まれの少年と平成からタイムスリップした少年が日本版『火星人襲来』の脚本を練る。そんな親しみもあって、チラシを見ただけで期待値は跳ね上がった。

現在と過去を行き来しながら、なぜか第一回で打ち切られた連続ラジオドラマ『ペガモ星人の襲来』の謎が明らかにされていく。合間にはさまれるお遊びのバカバカしい番組がいいスパイスになって、笑いの要素もたっぷり。音響効果スタッフが物語の鍵を握るだけあって、傘の開閉で鳥の羽ばたきを表現したり、風船をこすって蛙の泣き声を出したりといった効果音の実演が視覚的にも楽しめる仕掛けになっている。小学校時代、必修クラブの放送劇で手づくりの効果音を工夫した思い出が蘇った。コピーライターになってラジオCMを作る頃には一枚のCDに納まっていて、ミキサーさんに「20番の『水を流す』の後に21番の『野菜を切る』を入れてください」などと指示するだけで間に合った。それはそれで便利だったけど、てんやわんやの効果音作りを見ていると、ああいうことやりたかったなとうらやましくなった。

幻のドラマを再現するにあたって集められたメンバーはオリジナル版の制作メンバーとの一人二役で、血縁者だったり顔が似ているという設定だったり。究極の音を追求した音効スタッフが奇跡を呼んだせいで事件が起こり、その記憶は打ち切られた番組とともに封印された……というファンタジーっぽい落ちもわたし好み。遊気舎二代目座長だった後藤ひろひとさんが今から13年前、1995年にはじめてギャラをもらって立身出世劇場にあてて書いた作品だという。達者な出演者もアッパレ!

G-up presents vol.6 ペガモ星人の襲来
【CAST】
ポキ(大谷雄二)    吉岡毅志 (演劇集団スプートニク)
クリさん(栗山寛之進) 有川マコト(絶対王様)
仁太          瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ) 
ミッチ(春本美智子)  後藤飛鳥(五反田団)
黒さん(黒田甚五郎)  赤星昇一郎
チョロ(宇野弘)    森啓一郎(東京タンバリン)
岸田浮世        小椋あずき
林田藤吉        岩井秀人(ハイバイ)
岡田良         大内厚雄(演劇集団キャラメルボックス)
木浦夕子        町田カナ
プロデューサーほか色々 柿丸美智恵(毛皮族)
ミゴー佐々木ほか色々  黒岩三佳(あひるなんちゃら)
ひろみほか色々     森下亮(クロムモリブデン)
ディレクターほか色々  板倉チヒロ(クロムモリブデン)
AD          森田祐吏(北京蝶々)
守衛さん        関秀人   

【STAFF】
プロデューサー     赤沼かがみ
脚本          後藤ひろひと(Piper)
演出          関秀人

08月30日(土)
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