ID:93827
脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
[786215hit]
■ 大学ノート80冊分の日記
吉田先生が中学一年生の終わりにわたしに贈った言葉も出て来た。「今井はよい意味でかわってるよ。あまりお目にはかからないタイプですね。底抜けに明るくて活発ですごく大胆で、そのくせデリケートで傷つきやすかったり…。そして何よりも温かい心の持ち主で…。どんな大人になっていくのかとても楽しみです。教師になりませんか?」とある。
先生は、わたしが日記を見せなくなったことをずっと気にかけていてくださった。つまらない意地を張った中学一年生の自分には、今とは違うプライドがあったのだろう。吉田先生に見せなくなった日記に、わたしは先生のことを「あのせんせー、わりとよくやすむなぁー。強がる人って案外よわいんだ。私も人のこといえないけど」と書いている。似た者同士だったのかもしれない。
肝心の小説も見つかった。鏡の国に迷い込む少女の話で、中学一年のときに書いたものだとわかった。わたしはそれが最初の小説だと思っていたのだけれど、それよりも前、小学時代に書いた小説らしいものもいくつか出て来た。それより驚いたのは、小学6年のときの交換日記に書いてあった『ブランコ』というラジオドラマ。ラジオで聞いて感動したストーリーを紹介しているのだけれど、台詞やト書きが再現されていて、ほぼ脚本の形になっている。
やっぱりこの80冊の延長線上にわたしはいるんだなあと感じた。
06月11日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る