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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 身につまされた映画『ドリームガールズ』
『月刊シナリオ』を読んでいると、ときどき、名指しでプロデューサーを糾弾する脚本家の手記に遭遇する。脚本を送って打ち返しの返事を待っている間に、いつの間にか勝手に内容が変えられていたり、脚本家が替えられていたりする。糾弾された側の言い分も掲載しないと欠席裁判になるのではという気もするが、叫ばずにはいられない心情も理解できる。お金の問題でもなければ、ただ感情的になっているわけでもない。その作品に懸けていたからこそ悔しい、腹立たしい、やりきれない。夢と期待で膨らみきった風船は、割れたときの衝撃も大きい。だけどその痛みは、光と影がセットであるように、夢を仕事にする幸福につきまとう副産物なのかもしれない。エフィーのように仕事に逃げられ、信頼していた仲間に背を向けられたら、わたしだって何も信じられなくなるだろう。だけど、何もかも失っても「自分にはこれしかない」と歌い続けたエフィーのように、自分に正直に生きたいと思う。夢を追い求める魂だけは誰にも盗めないし、売り渡してはならない。夢を打ち砕かれることがあっても、そのかけらを拾い合わせて、つなぎ合わせて、大切に持ち続けたい。そんなことを大真面目に考えた。
努力すれば、力を合わせれば、夢は叶う、と夢みたいなことを信じているわたしは今でもドリームガール。あれ、ドリームガールは夢のような女の子という意味だろうか、夢見る女の子だとドリーミングガールになるのか。劇中歌はどれもメロディ歌詞ともにすばらしいし、あの時代の空気感みたいなものまで見事に表現されていて、音楽を聴いているだけでも存分に楽しめた。機会があればぜひ舞台版も観てみたい。『アニー』『ムーランルージュ』『オペラ座の怪人』『シカゴ』に、またひとつ、お気に入りのミュージカル映画が加わった。
03月08日(木)
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