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脚本家・今井雅子の日記
by いまいまさこ
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■ 英国旅行7日目 生家と古城とリモニー・スニケット
■映画館は、何度も通っている時計台前から少し奥まったところにあった。8:30からMarchant of VeniceまたはLimony Snicket's a series of Unfortunate Eventsの上映。シェイクスピアの里でベニスの商人を観るのも粋だけど、ジム・キャリーが怪しいオッサンになって三人の子どもたちをびびらせているポスターに惹かれて後者を選ぶ。ここでも一人£5.5。このLimony Snicketが掘り出し物。「げ、スクリーン間違えた?」と焦るような明るいアニメではじまり、「これはこれから上映する作品とは別物。ハッピーエンドがお好みなら、今からでも遅くないから他のスクリーンへどうぞ」と人を食ったナレーションが入る。主人公はBeaudelaireの三きょうだい、inventer(発明家)の姉Violet(Emily Browning)、reader(読書)の弟Klaus(Lian Aiken)、biter(何でもかじる!)の赤ちゃんの妹Sunny(Kara and Sherby Hoffman なぜ二人?)。 両親を失い、孤児になった三人は莫大な遺産を相続するが、それを狙うのがジム・キャリー演じる初代後見人Count Olaf。本気で子どもたちを殺そうとするし、2代目3代目後見人guardianにも容赦なく手を出すし、長女との偽装結婚まで企てるし、子ども相手に本気で立ち向かってくるのだが、きょうだいは発明したり本の知識を応用したり噛んだりしてピンチを乗り切る。はちゃめちゃのまま突っ走るのかと思いきや、ラストには泣ける手紙。あなたたちにはお互いがいる。どんなに小さくてもサンクチュアリを作ることは出来る。どんなときにも何かできることがある……。"There is something"は何度も出てくるフレーズ。絶望的に見える状況でも何かある、何かできる、と希望を失わない三人のたくましさに拍手。演技もブラボー。語り部リモニー役はジュード・ロウ、文法命の後見人Josephine役はメリル・ストリープと贅沢なキャスティング。クレジットロールの屏風調アニメも凝っていて、ビジュアル的にも楽しみが尽きない。わたしは知らなかったけど、原作のリモニー・スニケットは全世界で1800万部売れている人気シリーズなのだそう。映画の邦題は『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』。

01月02日(日)
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