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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 素人と玄人 〜 Amateur and professional 〜
父親の愛情表現は、時と場合によっては、怒りに変ることがある。
どうして、こんなことを学ばなかったのか、という絶望感による。
(父の「ドミソ」は、息子たちが聴いた中で、誰よりも正統なピッチだ)
次男が「デザインを学びたい」というので、最初に「182mm」を教え
たところ「こんな数字など覚えたくない」と拒否したために、終った。
電話番号の「104番」や「110番」を知らずに、電話は使えないのだが。
長男には、写真術を教えるべく、三脚の操作を教えようとしたところ、
なぜか(のちのちまで)拒否反応を示した。三脚を組立て、息を止めて、
祈るようにシャッターを押すのが、カメラマンとしての父の流儀だった。
祖父は、学歴がないのに読み書き算盤に秀でて、大店の金庫を預かり、
戦時中は「写真組合事務所」を自宅に移転して、徴用を免れた。戦後は、
小売店主に専念し、それなりの成果をあげたが、息子が潰してしまった。
まさに「売り家と唐様で書く三代目」目前の姿だった。
二代目は、作文や図画に長けて、恩師や親戚に期待されたが、周囲に
誰一人専門家が居なかったため、将来の見通しがないまま育った。
親戚や恩師は、アーチストの業界には、まったくの素人だった。
美術学校に進んで、それなりに評価されたが、とくに専門家に教わら
ず、ライバルとも情報交換せず、業界での生き方を学ぶ機会もなかった。
高校同期生に、本来ならライバルは存在したが、彼らのような後ろ盾
がないまま、中退して看板屋に勤めてみたが、コンクールに挑戦せず、
挫折した。帰郷して数年後、父の店まで潰してしまった。
Satou, Keinosuke レタリング/誤=敬之格
佐藤 敬之輔 19120104 神奈川 19790915 67 /武蔵野美術学校教授
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あまちゅあ・かっぽれ
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(20250924)
09月24日(水)
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